2021.1.14

ミントの植物学と栽培

当協会理事

木村正典

今回は、ミントの特徴や栽培方法などを、植物学の視点で解説します。

分類・名称

分類

ミント(mint)はシソ科(Lamiaceae(旧:唇形花科Labiatae))メンタ属(Mentha)の総称 です。科名のLamiaceaeは、科を代表するタイプ属のLamium(オドリコソウ属)に由来し、直訳ではオドリコソウ科となりますが、より馴染み深い植物名から日本ではシソ科と、英語圏ではmint familyと呼ばれています。

メンタ属植物は、容易に交雑することから分類は極めて難しく、今も大きな混乱が続いています。The Plant Listにはメンタ属に15の交雑種を含む42種、7亜種、7変種の計56の学名が採用されていますが、ほかに2,221のシノニム(異名)と、種名なのかシノニムなのかなどが未解決状態の学名が247記載されています。シノニムの多さは、命名者による見解の違いからくるものであり、研究の多さと共に分類の難しさを反映しているといえます。また、かつて亜種や変種扱いになっていたものが同一種とみなされる傾向にあります。Mentha longifolia(L.)L.には446ものシノニムがあります。学名を確認する際にはシノニムにも気を付けましょう。

名称

英名の mint および学名の Mentha は、テオフラストス(B.C.371-287)の名付けた古代ギリシャ語のmínthē が語源とされています。mínthē は、ギリシャ神話に登場するニュムペー(ニンフ;妖精)の名前で、menthē(メンテー)やminthā(ミンター)などとも呼ばれます。ギリシャ神話では、冥府神のハーデースがメンテーの美しさに惹かれ、そのことに気づいた妻のペルセポネーの嫉妬からメンテーは踏みつけられて呪いで草に変えられ、ミントと呼ばれて、ハーデースの神殿の庭で香って自分の存在を知らせているといわれています。一説には哀れんだハーデースが香るようにしたともいわれています。また違う話では、メンテーは先に愛されていて、その後に結婚したペルセポネーに嫉妬して怒りの言葉を浴びせたため、ペルセポネーの母である豊穣神デーメーテールが怒ってミントに変えたとされています。さらに違う話では、ハーデースに目をつけられてさらわれそうになったメンテーを、ペルセポネーが香りのよい草に変えて隠してあげたともいわれています。

mint は、メンタ属以外にもcatmint(ネペタ属)やhummingbird mint(カワミドリ属)、 horsemint(モナルダ属)、mountain mint(ピクナンテムム属)など、ミントに似た植物にも用いられています。

和名の薄荷ハッカは中国名から来ており、『本草和名ほんぞうわみょう』(918頃)や『倭名類聚抄わみょうるいじゅしょう』(934頃)に「薄荷」(実際は「荷」でなく「草冠に訶」)とあり、『倭名類聚抄』には和名「波加」と記載されています。薄荷ハッカは広義にはミントの和名としてメンタ属植物の総称ですが、狭義にはニホンハッカ( M .canadensis L.)を指します。このほか、メンタ属以外に、犬薄荷イヌハッカ(キャットミントやキャットニップ)や花薄荷ハナハッカ(オレガノ)、矢車薄荷ヤグルマハッカ(ワイルドベルガモット)、柳薄荷ヤナギハッカ(ヒソップ)、山木立薄荷ヤマキダチハッカ(ウインターセイボリー)、山薄荷ヤマハッカ(イソドン属)など、薄荷に似た植物にも用いられます。ニホンハッカは、広義にはM. canadensis L.の和名を、狭義にはこのうちの日本在来品種を指します。和種薄荷わしゅはっか和薄荷わはっかは、広義には洋種薄荷の対義語で日本在来種を、狭義にはニホンハッカ(ニホンハッカとペパーミントとの交雑品種を含む)のうち、日本で品種改良された、メントールを65%以上含有する高メントール系品種群を指します。洋種薄荷は、広義には和種薄荷の対義語で欧米ミント類を、狭義にはコーンミント(M. arvensis L.) を指します。

人とのかかわりの歴史

古代ギリシャ・ローマ時代、ヒポクラテス(B.C.460頃-370頃)はミントの過剰摂取でEDになると信じていました。また、テオフラストス(B.C.371-287)はペニーロイヤルミントについて、ディオスコリデス(A.D.40頃 -90頃)はウォーターミントやペニーロイヤルミント、ホースミントの薬効について、大プリニウス(A.D.23-79)はウォーターミントとペニーロイヤルミントの薬効のほか、スペアミントのリフレッシュ効果や料理・飲料への利用について述べています。

中世の欧州では消化促進のリキュールや入浴剤、シャンプー、歯磨き、ストゥルーイングハーブなどにも使われました。

カルペパー(1616-1654)はスペアミントが一般的であるとし、食欲増進や胃腸改善、排尿改善、月経停止、止血などに内服、犬咬傷や母乳を減らす、口腔内環境改善などに外用するとしているほか、ウォーターミントとホースミントの薬効についても言及しています。

ペパーミントは、レイ(1627-1705)が名付けて紹介して以降、英国で品種改良が進み、薬用などに世界中で広く利用されるようになりました。

アーユルヴェーダやユナニ医学ではスペアミントやニホンハッカ、コーンミントなどを食欲減退、不順などの治療や、目薬、歯磨きなどに用います。胃腸障害、風邪、呼吸器疾患、発熱、痛み、月経不順などの治療や、目薬、歯磨きなどに用います。中薬では薄荷ハッカ(中国在来のニホンハッカ)の全草を薄荷と呼んで風邪、痰、頭痛、赤痢、口腔諸病、めまい、虫刺されなどの、留蘭香リュウランコウ(スペアミント)の全草を香花菜コウカサイと呼んで風邪、咳、痛みなどの、円葉薄荷エンヨウハッカ(フォールスアップルミント)の全草を魚香草ギョコウソウと呼んで胃気痛などの、根を魚香根ギョコウコンと呼んで赤白痢などの治療に用います。

日本へは、『本草和名』や『倭名類聚抄』以前の書物に見られないことから、平安時代に中国からニホンハッカが渡来して自生したと推測されます。日本にはニホンハッカ以外に日本固有種のヒメハッカが自生するほか、北海道にはエゾハッカと呼ばれる固有種も自生し、これら3種の種間雑種の自生も報告されています。江戸末期にはオランダからスペアミントが渡来して和蘭薄荷オランダハッカと、明治の文明開化でペパーミントが渡来し西洋薄荷と呼ばれました。日本での本格的なニホンハッカ栽培は1817年に岡山で始まり、その後山形や広島に普及し、明治後期には北海道に導入されました。品種改良も進み、メントールの結晶である薄荷脳はっかのうと、精油である薄荷油はっかゆの生産は、最盛期の昭和13年に世界シェアの70~80%を占めるまでになり、世界最大の薄荷輸出大国となりました。しかし、戦後、合成メントールの普及と輸入自由化による関税引き下げの影響で薄荷産業は急激に衰退しました。

現在、ガムなどの菓子類やタバコ、歯磨き粉、シャンプーなどの香料原料としての商業的精油生産は、ペパーミント、スペアミントともにアメリカが一大産地で、インドや中国でも盛んに栽培されています。そのほか、ティーやモヒートなどの飲料、菓子、料理、クラフトなど、豊かな暮らしに幅広く利用されています。

形態・成分

形態・分泌組織

メンタ属はいずれも多年生草本で、地下茎(ストロン)が横に伸びて広がり、その節ふしから地上茎が立ち上がります。シソ科に共通の特徴としては、地下茎、地上茎ともに切り口が四角形で、葉は十字対生となります。また、花は葉腋ようえき(ふし)につく輪散花序りんさんかじょで、種類によっては節間せっかんが詰まり、花が密集して尖った穂状すいじょう花序や丸い頭状とうじょう花序を形成します。花冠かかんは、合弁で、シソ科に典型的な唇形花でなく、十字に4裂し、そのうちの1つがさらに浅裂するものもあります。果実は痩果そうか(種子のように見える硬い果実)で、一般には種子として扱われます。精油は花や葉、茎の表皮にある腺毛せんもうに蓄えられており、腺毛が壊れると芳香を放ちます。これは外敵からの防御手段と考えられ、新葉や花の周辺などの大切な部位に多く分布します。また、乾燥しても壊れません。

各ミントの特徴は下記:メンタ属(ミント類)の全42種 (7亜種、7変種を含む。学名はThe Plant Listに従う)に示しました。

精油成分

ミントの精油成分は種や品種によって大きく異なります。また、多くの種で、ケモタイプの存在のほか、部位や環境などで成分が異なることが明らかになっています。ペパーミントやニホンハッカ、ホースミント、コーンミントなどの精油の主成分はメントールとメントンで、香料生産の場合にはメントール含量の高いものが求められます。また、ペパーミントでは、新葉にメントン含量が高いことや、老化によってメントン含量が低下すること、晴天によってメントンがメントールに移行することなどが報告されています。スペアミントや近縁のメンタ・カルディアカなどの甘い香りは、60%程度含有するカルボンによるもので、そのほかリモネンを20%程度含有します。なお、冬期にはカルボンの生成が極めて低いために固有の甘い香りがしなくなります。また、カルボンやリモネンをほとんど含有しないケモタイプも存在します。ペニーロイヤルミントや近縁のハーツペニーロイヤル、モントゥ・ドゥ・ペルスの香りは、70%以上を占めるプレゴンによるものです。ペニーロイヤルミントでは、プレゴン含量が開花直前までで最も高く、開花の終了に伴って減少するのに対し、メントン含量は開花前10%未満であるのが、開花終了時には40%にまで増加することが報告されています。アップルミントでは、ピペリテノンオキシドを主成分とするもののほか、プレゴンやカルボンを主成分とするものなど、多くのケモタイプが報告されています。

状性と状栽と培栽培

温帯原産の宿根草で、冬期、地上部が冬枯れし、翌春芽吹きます。耐寒性は高く、最も高いコーンミントで氷点下50°C、次いでスペアミント、ペパーミント、ジンジャーミント、ウォーターミント、ペニーロイヤルミント、アップルミントの順となり、耐寒性の低いコルシカミントでも氷点下20°Cになる地域で越冬可能です。

肥料として、完熟腐葉土や窒素含量の低い自家製ボカシ肥、コンポストなどの有機物を年に1回施しましょう。窒素が多いと、葉が巨大になって料理に適さなくなったり、茂りすぎて自滅したりしますので、窒素含量の低い有機物を施与します。有機物は土壌中の微生物の餌であり、微生物を殖やすことで豊かな土になります。なお、有機物が直接根に当たると、微生物による急激な分解で根が傷んで枯死しますので、株から離れた地表に施して土と混ぜるか、土深く埋めるか、植付け数週間前に土と混ぜておくか、別のところで土と混ぜてボカシ肥にしてから施すなどします。窒素欠乏で葉が黄ばんできたら、油かすや完熟牛糞堆肥など、窒素の多い有機物を追肥しましょう。

繁殖は株分けが確実です。

挿し木をする場合、真夏と真冬を避けます。長さ10cm程度の茎に節(葉のつけ根部分)が数節付いている部分を切って挿し穂とします(図1)。

図1

【挿し木方法】
①実線部分をハサミで切る。
地中に入る部分は葉を根元から切る
地上に出る葉は半分に切って蒸散を抑える先端部分を切って側枝の発生を促す。
②点線部分から下を赤玉土に挿す

挿し穂の頂部を切って側枝の伸長を促します。挿し穂の下半分を土に挿し、地中の節から根が、地上の節から茎が出るようにします。土は無肥料の赤玉土がお勧めです。挿し木後毎日灌水し、2〜3週間後に植え替えます。水に挿しても簡単に発根しますが、水挿しで出た根には土の中で吸水するための根毛こんもうが無く、土中で水を吸えないため、水挿ししたものを植付けた場合、植付け後に新たに発根した根毛で吸水することになります。一時的に水挿しした場合でも、早めに土に挿すようにしましょう。

図2

【収穫、株分け、整枝方法】
茶色の点線は地面ライン
青の実線部分で収穫して側枝の数を増やして新芽を増やす。殖えすぎる場合や株分けする場合は緑の実線のようにスコップなどで地下茎を切る。

ミントにはアレロパシー(※1)の強いものがあり、特にアップルミントはほかの植物の発芽や生長を阻害しますので、雑草抑えには有効ですが寄せ植えには不向きです。また、ニホンハッカやペパーミントなどは自分の生育を抑制する自滅物質を出して連作障害を引き起こしやすく、プランター栽培では数年で生育が悪化して枯死することもありますので、数年に一度、根や地下茎を整理して根詰まりを防ぎ、新しい土に植え替える必要があります。根詰まりを防ぐためにもこまめに地下茎を切って広がるのを防ぎましょう(図2)。

(※1)アレロパシー:植物間相互作用。植物から出る化学物質によって他の植物もしくは自分自身の発芽や生育などに何らかの影響を与える作用のこと。

ミントの香り=精油は、外敵から身を守る役割があると考えられ、精油成分は季節や部位によって、組成も量も大きく異なります。寒くなるほど香りが弱くなるのは、病害虫獣のいない冬に精油合成の必要がないためとも考えられます。また、新葉や花の周りには腺毛が密集してよく香り、葉が古くなるほど腺毛数も減少して香りが弱くなります。これは、精油が、大事な器官を守るためと考えられます。開花直前が最も香るのも、新葉や萼、苞葉などの大事な器官の割合の多いことに由来します。したがって、香りを強くするには、若い葉を増やすように、茎葉を次々に摘み取って収穫しましょう(図2)。それ以前に、精油は光合成産物ですから、精油含量を増加させるには日当たりのよい場所で十分に光合成させましょう。

メンタ属(ミント類)の全42種 (7亜種、7変種を含む。学名はThe Plant Listに従う)

メンタ属(ミント類) 欧州、地中海沿岸、西アジアのミント

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha alopecuroides Hull アロペクロイデス〈狐のしっぽのような〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・アロペクロイデス
特徴 / M.× villosa Huds. (モヒートミント)のシノニムとの見解もあり、M.× villosa var. alopecuroides (Hull) Briq. (ボールズミントの旧学名)との混同も見られる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha aquatica L. アクアティカ〈水生の〉 [M. hirsuta Huds.,M. riparia Schreb., M. sativa Sm.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ウォーターミント (water mint)、ヌマハッカ (沼薄荷)、marsh mint
特徴 / 欧州~地中海沿岸~西アジア原産で新大陸やオセアニアなど各地に帰化。古代から人との関わりが深く、ペパーミントなど数種の交雑親でもある。草丈1m。葉は紫色を帯び、有柄。花色は淡紫。頂生する丸く可愛い花序が特徴で、その直下の葉腋にも着く。川辺や湿地などに自生。香りが強く、中世欧州ではストゥルーイングハーブとしても利用された。全草に収斂、鎮痙、消化促進等の作用がある。過剰摂取で催吐作用もあるので注意。精油の主成分はメントフラン。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha arvensis L. アルウェンシス〈可耕地の、原野生の〉 [M. gentilis Georgi, M. nemorosa Host, M. procumbens Thuill., M. sativa Roxb.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ コーンミント (corn mint), ヨウシュハッカ(洋種薄荷)、brook mint, common mint, European corn mint, field mint, tule mint, wild mint
特徴 / かつてニホンハッカは本種の亜種、変種扱いであった。欧州原産。耐寒性が高く、北半球の温帯〜亜寒帯を中心に広く自生。草丈1m。葉長6cmで有毛。花は葉腋に輪生し、花色は薄紫で白花や桃花品種もある。食用や飲料用のほか、伝統的にミルクの凝固を抑えるためや、鎮咳、鎮痙、消炎、発汗促進、皮膚炎治療などに用いられる。米国ではメントール原料として生産栽培され、メントールはタバコの香り付けや、連鎖球菌などの抗菌性のためにデンタルケアなどに使われる。精油の主成分はメントール。‘クールミント (Cool Mint)’は草丈70cm、花色は白から淡桃。品種の‘バナナミント (Banana Mint)’はバナナの香りが特徴的で、葉色は明るい緑、花色は薄紫。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha cardiaca J. Gerard ex Baker カルディアカ 〈心臓の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・カルディア
カ,スペアミント (spearmint), スコッチミント (Scotch mint)
特徴 / スペアミントと似た香りで、精油などがスペアミントの名で流通しているので学名を確認。スペアミントやジンジャーミントとの混乱が見られる。精油の主成分はカルボン(60%)で、抗真菌、抗アフラトキシン作用が確認されている。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha cervina L. ケルウィナ 〈鹿の〉 [M. multifida Stokes, M. punctata Moench, Preslia cervina (L.) Fresen.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ハーツペニーロイヤル(hart’s pennyroyal), deer mint
特徴 / 種小名の cervina(鹿の)や英名の hart(牡鹿)は、苞葉の形が鹿の角に似ていることから。地中海沿岸西部~アゾレス諸島原産。ペニーロイヤルミントや M. gattefossei の近縁種で精油の主成分はプレゴンでほかにイソメントン、ピペリテノン。草丈30cm。花は葉腋に輪生し、花色は淡青~淡紫で、白花品種‘Alba’もある。ティーで利用されるほか、防腐効果があり、摂りすぎに注意。ストゥルーイングハーブや穀物倉庫にまいてネズミ除けに用いた。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha gattefossei Maire ガッテフォッセイ 〈モロッコのハーブ 栽培に貢献した Jean Gattefossé への件名〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ モントゥ・ドゥ・ペルス(menthe de Perse)
特徴 / モロッコ固有種。ハーツペニーロイヤルに近縁の種。草丈30cm。葉はほかのミントと大きく異なり、細長く光沢があって凹凸がない。花序は各葉腋に輪生し丸くなる。花色は白。精油の主成分は4-プレゴンで70%を占める。モロッコ山岳地帯のベルベル人がスペアミント‘モロッコ’と共に、強いフルーティな香りづけをするために紅茶に利用。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha longifolia (L.) L. ロンギフォリア 〈長葉の〉 [ M. candicans Mill., M. spicata var. longifolia L., M. sylvestris L., M. wierzbickiana Opiz]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ホースミント (horse mint), ナガバハッカ(長葉薄荷), ケハッカ (毛薄荷)
特徴 / 英名の horse(馬)は大きくて強靭でごわごわした植物に付けられる。欧州原産。シノニム数が446もある。ディオスコリデスの記したのも、聖書(マタイ伝23章23節)に記載されているのもこのミントと考えられており、古代から人との関わりの深い種の一つ。カルペパーも薬用に紹介している。草丈120cm。葉と茎は白い毛に覆われる。葉長は9cmと長い。花は穂状花序を頂生し、花色は薄紫。ペパーミントと似た香りのため、ペパーミントの代用として精油が製菓に使われる。アジアでは茎葉を料理に。次の5亜種、5変種がある。 subsp. capensis (Thunb.) Briq. (カペンシス)はアフリカンワイルドミント (African wild mint)と呼ばれ、南アフリカに自生。subsp. noeana (Briq.) Briq. (ノエアーナ)はトルコ東部~イランに自生。subsp. polyadena (Briq.) Briq. (ポリアデーナ)は南アフリカに自生。 subsp. typhoides (Briq.) Harley (ティフォイデス)はアフリカ北東部~南西アジアに自生。 subsp. wissii (Launert) Codd ( ウィッシイ ) はアフリカ南西部に自生。 var. amphilema Briq. ex Rech.f. (アムフィレマ) は西アジアに自生。 var. asiatica (Boriss.) Rech.f. (アシアティカ) は Gray mint と呼ばれ、西アジア~中国西部に自生。 var. kotschyana (Boiss.) Briq. (コトゥスキアーナ) はトルコ~イランに自生。 var. petiolata Boiss. (ペティオラータ)はイラン~イラクに自生。 var. schimperi (Briq.) Briq. (スキムペリ) はアラビア半島~シナイ半島に自生。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha nemorosa Willd. ネモローサ 〈森林生の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ネモローサ , イ エルバブエナ (yerba buena)、モヒートミント (mojito mint)、Cuban mint, Cuban mojito mint
特徴 / M. nemorosa Host という命名者のみ異なる学名は M. arvensis L. のシノニムなので命名者まで確認する必要がある。また、本種の学名を M. × villosa Huds. のシノニムとする見解が多いこと、M. × villosa と共にモヒートミントやイエルバブエナと呼ばれることなど、M. × villosa との違いが曖昧で混乱が見られる。欧州原産か?南北アメリカでは、スペイン語で「良いハーブ」を意味するイエルバブエナと呼ばれるハーブが数種あり、特にモヒートにはアップルミントやスペアミント、オーデコロンミントなどがイエルバブエナと呼ばれて利用されるが、本種はキューバをはじめとする西インド諸島で馴染みが深いことから、キューバのモヒートミントを代表するのは本種と考えられる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha pulegium L. プレギウム 〈蚤に由来〉[M. aromatica Salisb., M. exigua L., Pulegium vulgare Mill.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ペニーロイヤルミント (pennyroyal mint)、メグサハッカ(目草薄荷)、 European pennyroyal, pennyrile, lung mint, squaw mint, mosquito plant, pudding grass
特徴 / 種小名は「ノミ」を意味するラテン語の pulex に関連し、ノミ除けに用いたことに由来。 pennyroyal は古い仏名の pulyole ryale が語源。別名の pudding grass はスコットランドの伝統料理ハギスプディング(haggis pudding)の香り付けに使われることに由来。英国デボンシャーでは organs, organ tea, organ broth と呼ばれた。和名の目草は薄荷の古称。M. satureioides M. cervina などと近縁。ペニーロイヤルミントによく似たアメリカンペニーロイヤル(Hedeoma pulegioides (L.)Pers.; squawmint, mock pennyroyalとも)は、北米でアメリカンインディアンの間で蚊除けや女性の薬用とされるシソ科の別属植物なので注意。欧州~西アジア原産。草丈40cm。匍匐してマットを形成せずに広がる。葉長3cm。花は各葉腋に輪生する花序が頂生して長い花序を形成。花色は薄紫。古代から人との関わりの深いミントの一つ。ペニーロイヤルウォーターを精神疾患の治療に。ドライリーフを安眠のために寝室に。ハーブティーを生理不順や風邪の緩和に。航海時、浄血や浄水のため、飲み水に乾燥葉を入れて利用。米国にはピルグリム・ファーザーズが持ち込み、風邪やヘビの咬傷などの治療に利用。防虫、抗菌作用がある。地中海沿岸で商業栽培される。豪州では雑草として規制。グランドカバーに向く。精油の主成分はプレゴンで、多量服用で中毒死もあるので注意。立性品種の‘アップライトペニーロイヤルミント (Upright Pennyroyal)’はペパーミントのような香りで、防虫に。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha requienii Benth. レクイ エニイ 〈植物学者 E.Requien への献名〉 [Audibertia parviflora (Req.) Nyman, Thymus corsicus Moris]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ コルシカミント(Corsican mint)
特徴 / コルシカ島、サルデーニャ島原産。草丈の低い匍匐性でコケのように広がる。乾燥に弱く、湿った日陰を好む。草丈10cm。糸状の茎に2~7mmの光沢のある小さい葉を着ける。花は茎頂付近の節に2花着生し、花色は薄紫。観賞用やグランドカバーに用いられるほか、クレムドゥモントゥ(Crème de menthe)などのリキュールの香り付けやサラダなどの食用、解熱、駆風などの薬用、消毒、ネズミ除けなどに用いる。精油の主成分はプレゴンで80%程度含有する。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha spicata L. スピカータ 〈穂状花のある〉 [ M. viridis (L.)L., M. crispa L., M. laevigata Willd., M. × piperita var. crispa (L.) W.D.J.Koch]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ スペアミント spearmint), ミドリハッカ(緑薄荷), オランダハッカ(和蘭薄荷), common spearmint, English mint, fish mint, garden mint, green mint, lamb’s mint, native spearmint, our Lady’s mint, sage of Bethlehem, spire mint, menthe de Notre Dame, Frauen Munze, erba Santa Maria
特徴 / 欧州原産。各国の別名には聖母マリアにちなむ名前がある。英名の spear は「槍」の意で花の形に由来。オランダハッカは江戸末期にオランダから渡来したことに由来し、チリメンハッカの別名との解釈もある。草丈60cm。葉はほとんど無毛で細かなしわがある。地上茎はアントシアニンによって赤紫を呈し、低温で濃くなる。花は穂状花序を頂生し、花色は薄紫~白色。古代から人との関わりの深いミントの一つ。米国にはピルグリム・ファーザーズが伝えて消化不良などに用いた。米国における商業生産はかつての主産地ミシガンから西部に移動し、現在では西海岸で大規模栽培され、精油が調味料や歯磨き、ガム、マウスウォッシュ、香水などに利用される。茎葉はティーやドリンク、英国のラム肉料理につけるミントジェリーやミントソースなどに。甘い香りが特徴で、精油の主成分はカルボン。中薬では、スペアミントを留蘭香(リュウランコウ)といい、全草を香花菜(コウカサイ)と呼んで風邪、咳、痛みなどの治療に用いる。亜種に subsp. condensata (Briq.) Greuter & Burdet (コンデンサータ〈密集した〉)があり、イタリア、シチリア、バルカン半島、エーゲ海周辺に自生。品種には次のようなものがある。‘カーリーミント (Curly Mint)’(‘カールドスペアミント(Curled Spearmint)’, ‘チリメンハッカ (縮緬薄荷)’) は縮緬品種で切り込みと深いしわの葉が特徴。 ‘モロッコミント (Morrocan)’はさわやかなスペアミントの香りで、葉にしわがある。‘ケンタッキーカーネルミント (Kentucky Colonel)’は競馬のケンタッキーダービーのオフィシャルドリンクであるミント・ジュレップ(mint julep)のオフィシャルハーブとして有名で、メンタ・ウィルローサの品種との混乱が見られる。‘ストロベリーミント(Strawberry Mint)’は小型の縮緬系品種で、ストロベリーを連想する甘い香り。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha suaveolens Ehrh. スア ウェオレンス 〈芳香ある〉[M. insularis Req., M. macrostachya Ten., M. × rotundifolia var. suaveolens (Ehrh.) Briq., M. rugosa Lam.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ アップルミント (apple mint), マルバハッカ ( 丸葉薄荷 ), round- leaved mint, woolly mint
特徴 / M. × rotundifolia と同一種としている記載が多いほか、M. × villosa との混乱も見られる。草丈60cm。茎葉が有毛。葉は明るい緑色で丸く無柄。花は穂状花序を頂生し、花色は薄紫。アレロパシーが極めて強く、他の植物の発芽や生育を抑制して独占的になるほど強靭。ティーやモヒートなどの飲料、料理、クラフトなどに利用されるほか、薬用とされる。リンゴのような香りが特徴で、精油の主成分をピペリテノンオキシドとするもののほか、プレゴンとするもの、カルボンとするものなど、多くのケモタイプが報告されている。亜種として、subsp. timija (Coss. ex Briq.) Harley(ティミヤ/アトラスマウンテンズミント (Atlas Mountains Mint))があり、モロッコ固有の希少種で、草丈60cm、茎葉は有毛で、頂生する穂状花序は軟らかく、花色は薄紫で、食用や薬用とされ、精油成分はプレゴン62%、メントン40%で抗菌性が報告されている。このほか、斑入り品種として、‘パイナップルミント (Pineapple Mint)’(‘Variegata’) があり、葉縁に不規則にクリーム色の斑が入り、パイナップルのような香りがして観賞性も高いが、斑入りのため生育が弱。パイナップルミントの精油成分はピペリトンオキシドを80%含有するもの、カリオフィレンオキシドを65%含有するもの、乾燥葉にシスジャスモンを37%含有するものなどのケモタイプが報告されている。

メンタ属(ミント類) 東アジア、北米のミント

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha canadensis L. カナデンシス〈カナダの〉[M. arvensis var. piperascens Malinv. ex Holmes, M. arvensis subsp. piperascens (Malinv. ex Holmes) H.Hara, M. canadensis var. piperascens (Malinv. ex Holmes) H.Hara, M. haplocalyx Briq., M. haplocalyx var. nipponensis Matsum. & Kudô, M. haplocalyx var. piperascens (Malinv. ex Holmes) C.Y.Wu & H.W.Li]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ニホンハッカ (Japanese mint), Canadian mint, American wild mint, American corn mint, Chinese mint, Sakhalin mint, East Asian wild mint
特徴 / 草丈 50cm。花は各葉腋に輪生し、花色は薄紫。北米と東アジアに自生し、それぞれの系 統は異なると思われる。中薬では中国在来のニホンハッカの全草を薄荷と呼んで風 邪、痰、 頭痛、赤痢、口腔諸病、めまい、虫刺されなどの治療に用いる。日本のニホンハッカは 中国の系統のものが渡来して帰化。ニホンハッカはかつて、M. arvensis var. piperascens Malinv. ex Holmes の学名があてられ、コーンミント(洋種薄荷)の変種とされてきた。「和種薄荷」や「和薄荷」という名称は広義にはニホンハッカを指すが、狭義にはペパーミントとの交雑品種も含めて、メントール含量65%以上の高メントール系の日本産品種群を指す。日本はかつて天然ハッカ脳(メントール結晶)の世界最大の輸出国であった。日本で作出された品種は多く、‘あかまる(赤圓)’は北見で発見された在来品種で、大正13年に品種登録され、戦前の主力品種に。‘ほくしん(北進)’は倶知安在来品種で‘あかまる’に次ぐ主力品種。‘さんび(三美)’は岡山県で発見された在来品種で中国系と考えられている。‘まんよう(萬葉)’は中国品種南通と‘あかまる’との交配種で昭和28年に品種登録。‘すずかぜ(涼風)’は中国品種南通と‘ほくしん’との交配種で昭和29年に品種登録。‘ほくと(北斗)’( ‘北海J20号’) は‘わせなみ’と‘北系J10号’との交配種で昭和57年に品種登録。‘はくび (博美)’は日本在来種青茎系同士の交配種で昭和25年に育成。‘しゅうび (秀美)’は‘さんび’とミッチャムミント(ペパーミント)との交配種で昭和39年に育成。‘北海JM23号’は北系J17号とブラックペパーミントとの交配種で平成2年に品種登録。このほか、‘エゾハッカ(蝦夷薄荷)’はニホンハッカが渡来する以前から自生していた系統と考えられており、かつては M. canadensis var. piperascens (Malinv. ex Holmes) H.Hara として、ニホンハッカの変種とされていたが、現在は同一種扱いされている。エゾハッカは自生地の北海道でも現在ではほとんど見られず、一方でニホンハッカとの交雑個体が報告されている。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha dahurica Fisch. ex Benth.ダフリカ〈シベリア・ダフリアの〉 [Horminum clinopodiifolium (Willd.) Pers., Satureja ussuriensis (Regel & Maack) Kudô]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ダフリアンタイム (Dahurian thyme)、ダフリアハッカ、興安薄荷
特徴 / ダフリアはバイカル湖以東のシベリアの古称。シベリア東部原産。草丈60cm。葉は卵形で葉長1.3cm。花は短い穂状花序を頂生し、色は薄赤紫。中薬では中国東北部でニホンハッカ同様に薬用とする。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha japonica (Miq.) Makino ヤポニカ 〈日本の〉[Micromeria japonica Miq.,Micromeria yezoensis Miyabe & Tatew.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ヒメハッカ ( 姫薄荷 )
特徴 / 日本固有種で、北海道と中部以北の本州の太平洋側の湿地に自生。各地で絶滅危惧種。 草丈 40cm。葉は全縁で細長く、長さ 2cm、幅 0.8cm。花序は頂生し、1 花序あたりの花 数は少ない。花冠は合弁だが離弁のように 4 つに深裂し、そのうちの 1 つがさらに浅裂する。 花色は淡紅紫。精油の主成分はメントンで 50 ~ 80%含有する。

メンタ属(ミント類) 中央アジアのミント

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha alaica Boriss. アライカ 〈キルギス・アライ渓谷の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・アライカ
特徴 / キルギス、タジキスタン固有種。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha darvasica Boriss. ダルウァシカ〈タジキスタン・ダルヴァズ 山地の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ダルウァシカ
特徴 / タジキスタン固有種。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha micrantha (Fisch. ex Benth.) Heinr.Braun ミクランタ 〈小さい花の〉 [M. pulegium var. micrantha Fisch. ex Benth.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ミクランタ
特徴 / 中央アジア固有種で、ウクライナ、ロシア、カザフスタンに自生。花は各葉腋につく輪生花序で花色は白。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha pamiroalaica Boriss. パミロアライカ 〈中央アジアのパミール・アライ山脈の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・パミロアライカ
特徴 / タジキスタン固有種。花はスペアミントに似た穂状花序を頂生し、花色は薄紫。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha royleana Wall. ex Benth. ロイレアナ 〈インド生まれの植物学者 John Forbes Royle へ の献名〉 [M. royleana subsp. hymalaiensis Briq.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ロイルズミント (Royle’s mint)
特徴 / 中央アジア固有種で、アフガニスタンからパキスタン、インド、ヒマラヤにかけて自生。ホースミントに近縁。花は細い穂状花序を頂生。2変種あり、var. afghanica (Murata) Rech.f(. ロイレアナ・アフガニカ〈アフガニスタンの〉)は葉が厚く丈夫。var. detonsa (Briq.) Rech.f(.ロイレアナ・デトンサ〈毛のない〉)は茎が細長く広がり、葉は薄く、多く分布。

メンタ属(ミント類) オセアニアのミント

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha atrolilacina B.J.Conn & D.J.Duval アトゥロリラキナ 〈濃いライラック色の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ホーナンミント (Honan mint)、 slender mint
特徴 / オーストラリア固有種で、南オーストラリア州アデレードの南東350kmのホーナン自然林に自生。草丈55cm。茎葉は有毛。葉長1cm。形態的には M. diemenica に類似するが、花色が濃い紫で、花弁が半分程度に短く、萼片も短いなどの点で異なる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha australis R.Br. アウストゥラリス 〈南半球の、南方系の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ オーストラリアンミント (Australian mint)、 native mint, native peppermint, river mint
特徴 / オーストラリア東部原産で、オーストラリア中東部とニュージーランド北島に自生。草丈75cm。葉は細長い槍型で長さ6cm。花は葉腋に輪生し、花色は白~薄紫。ティーや料理に用いる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha cunninghamii (Benth.) Bent h. クンニンガミイ 〈植物学者 Allan Cunningham への献名〉 [M. consimils Colenso]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ニュージーランドミ ント (New Zealand mint), hihoi, moki, mokimoki
特徴 / ニュージーランド固有種。草丈30cm。葉は卵形~三角形で長さ、幅共に1.5cm。花はほかのミントと大きく異なり、1節に2花しか着生せず、合弁だが離弁のように4つに深裂し、そのうちの1つがさらに浅裂する。花色は白。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha diemenica Spreng.ディエメニカ 〈Van Diemen’s Land(タスマニアの旧名称)の〉[M. gracilis R.Br.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ スレンダーミント(slender mint), wild mint
特徴 / オーストラリア固有種で、南東部ビクトリア州、タスマニア島を中心に自生。草丈30cm。葉は細長く、長さ1.2cm。花は各葉腋に輪生し、1節に2~8花着生する。花冠は合弁だが離弁のように4つに深裂し、そのうちの一つが更に浅裂する。花色は薄紫~薄桃で白もある。葉をティーや夏の飲料、料理に用いる。ほかのミント同様に薬用にも。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha grandiflora Benth. グランディフローラ〈大きい花の〉
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・グランディフローラ
特徴 / オーストラリア固有種で、クイーンズランド州南東部に自生。精油成分はピペリトンオキシド36%、トランスピペリトンオキシド21%、プレゴン19%、メントン10%。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha laxiflora Benth. ラクシフローラ 〈まばらの花の [M. laxiflora var. truncata (Briq.) Briq.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ フォレストミント (forest mint)
特徴 / オーストラリア固有種で、南東部の湿潤疎林に自生。草丈60cm。葉は細長く、長8cm。花は葉腋に輪生し、1節に4~18花着生し、花色は薄紫~白。アボリジニが薬用に。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha satureioides R.Br. サトゥレイオイデス 〈セイボリーに似た〉[M. saturejoides var. microcalyx Domin]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ネイティブペニーロイヤル (native pennyroyal)、bush mint, creeping mint,native mint
特徴 / オーストラリア固有種で、南東部に自生。草丈40cm。ペニーロイヤルミントのように低く匍匐して広がる。茎葉に粗に毛がある。葉は細長く光沢がある。花は各葉腋に輪生し、1節に3花が1対で6花程度と少ない。花色は白。葉をサラダなどの料理やティーや、薬用、虫よけ、ネズミ除けに。プレゴンを40%、メントンを20~30%、メントールを12%含有する。

メンタ属(ミント類) 種間交雑種

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × carinthiaca Host カリンティアーカ〈オーストリア・ケルンテン州の〉 [M. × muelleriana F.W.Schultz, M. × schultziana Topitz]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ オーストリアンミント(Austrian mint)
特徴 / M. arvensis L. と M. suaveolens Ehrh. の交雑種。欧州原産。オーストリア、イギリス、フランス、スペインに自生。茎は赤紫。葉はスペアミントに似てつやがあって無毛。花は茎頂に輪生する長い花穂を着生し、花色は白。メントール含量は低い。ドイツ語でパスタミントとも呼ばれ、オーストリアではパスタ料理、ティーなどに利用される。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × dalmatica Tausch ダルマティカ〈アドリア海東岸ダルマチアの〉 [M. × kerneri Topitz]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ダルマティーナミンツァ(Dalmatiner Minze)
特徴 / M. arvensis L. と M. longifolia (L.)L. の交雑種。欧州原産。葉はコーンミントに似る。花は各葉腋に輪生する。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × dumetorum Schult.ドゥメトルム〈小低木状の〉[M. × hirta Willd., M. ×nepetoides Lej., M. × pubescens Willd.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ブッシュラビングミント(Bush-loving mint)
特徴 / M. aquatica L. と M. longifolia (L.)L. の交雑種。欧州原産。スペインからベラルーシにかけてとトルコに自生。葉は有毛で白っぽい。花は穂状花序を頂生し、花色は薄紫。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × gayeri Trautm. ガイエリ 〈ハンガリーの植物学者 Gyula Gáyer への献名〉 [M. × lykana Trautm., M. × wagneriana Trautm.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ガイエリ
特徴 / M. longifolia (L.)L. と M. spicata L. と M. suaveolens Ehrh. の交雑種。欧州原産。ハンガリーに自生。茎は緑色。葉はホースミントに似て細長い。花は穂状花序を頂生し、花色は薄紫。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × gentilis L. ゲンティリス 〈外国の〉 [M. × gentilis var. cardiaca (Baker) Briq., M. × gracilis Sole, M. × variegata Sole]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ジンジャーミント (ginger mint), ス コッチスペアミント (Scotch spearmint)、 basil mint, bushy mint, cardiac mint, redmint, Scotch mint, slender mint, golden apple mint, アメリカハッカ ( 亜米利加薄荷 )
特徴 / M. spicata L. と M. arvensis L. の交雑種。命名者の異なる M. gentilis Georgi が M. arvensis L. のシノニムとなっていて混乱があるので命名者まで確認が必要。欧州原産で北米やアジア、日本などにも帰化して自生し、それぞれ系統が異なると思われる。斑入り品種もある。草丈1m。花は各葉腋に輪生し、花色は薄紫。食用や穀類の虫除け、解熱、鎮痛、消化促進などの薬用とされる。米国では1969年に導入されて以降、スコッチスペアミントと呼ばれ盛んに栽培される。現在の主産地は西海岸で、スペアミントガムなどの香料原料として、スペアミントと同様に大規模栽培される。米 国ではかつてはスペアミントよりも生産量が多かったが、現在ではスペアミントよりもやや少なくなり、減少した分、カナダでの生産が増大している。英国ではスコッチミントキャンディの香料に。ベトナムではフォーに。精油の主成分は、カルボンとするものの他、リナロールやピペリテノンオキシド、プレゴンなどとするものなど沢山のケモタイプが報告されている。また、夏から秋にかけて、プレゴンとピペリテノン、メントンが減少し、ピペリトンやメントール、メンチルアセテート、8-ヒドロキシ-4-p-メンテンなどが増加するなど、季節による変化も報告されている。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × kuemmerlei Trautm. クエムメルレイ 〈ハンガリーの 植物学者 Jeno Béla Kümmerle へ の献名か?〉 [M. × tutinii P.Silva]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・クエムメルレイ
特徴 / M. aquatica L. と M. spicata L. と M. suaveolens Ehrh. の交雑種。欧州原産。ハンガリ ーとポルトガル領アゾレス諸島に自生。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × locyana Borbás ロキアーナ
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ロキアーナ
特徴 / M. longifolia (L.)L. と M.× verticillata L. の交雑種。欧州原産。ハンガリーに自生。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × maximilianea F.W.Schultz マクシミリアネ ア 〈バイエルン王マクシミリアン への献名か?〉 [M. canescens var. maximilianea (F.W.Schultz) Rouy]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み) / メンタ・マクシミリアネア
特徴 / M. aquatica L. と M. suaveolens Ehrh. の交雑種。欧州原産。スペイン、フランス、ベルギー、イギリスに自生。葉は披針形で先が尖る。花は穂状花序を頂生する。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × piperita L. ピペリタ 〈ペッパーのような〉 [M. × balsamea Willd., M. × citrata Ehrh., M. × odorata Sole, M. × officinalis Hull]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み) / ペパーミント(peppermint), セイヨ ウハッカ ( 西洋薄荷 )、 コショウハッカ (胡椒薄荷)
特徴 / M. aquatica L. と M. spicata L. の交雑種。草丈 90cm。葉長 8cm。葉縁に鋸歯がある。花は穂状花序を頂生し、花色は薄紫。欧州原産。1750年代に英国で商業栽培が始まる。米国へは19世紀に欧州から移住したピルグリム・ファーザーズらによってマサチューセッツに導入。商業栽培はその後ミシガンへ移り、現在の中心地は西海岸。現在、米国は世界最大のペパーミント精油生産国で乾燥葉を蒸留。入浴剤、シロップ、料理、ティーなどに利用。品種も多く、名称にも混乱が見られる。単にペパーミントと呼ばれるものには、ブラック系とホワイト系がある。
‘ブラックペパーミント (Black Peppermint)’‘( ブラックミント’)は茎の表皮細胞にアントシアニンを含有するため赤紫色を呈し、寒い時期には葉も着色、匍匐茎で広がり、開花しにくく、ホワイト系よりも葉が小さくて草丈も低いが、香りが強く、ミッチャムミント同様、香料原料として大規模栽培される。‘ホワイトペパーミント (White Peppermint)’‘( ホワイトミント’,‘グリーン ペパーミント’) は鮮やかな緑色の茎葉で、草丈90cmと高く、葉も大きく細長く、薄紫色の花からなる穂状花序を容易に頂生、香りは穏やかで、収油率が低いために香料原料には向かない。‘オーデコロンミント (Eau de Cologne Mint)’は欧州原産、ブラック系の形態的特徴を有し、葉は有柄で凹凸が少なくてつやがあり、オーデコロンのような強い香りが特徴でサラダなどに用いられる。精油成分はリナリルアセテートとリナノールをそれぞれ45%程含有する。香水を作る際にラベンダーオイルの代わりに使うこともあり、花は藤色で丸く可愛い花序を頂生し、かつてはペパーミントやウォーターミントの変種として扱れた。なお、‘ベルガモットミント (Bergamot Mint)’(ベルガモットミントの名はモナルダなどを指す場合があるので注意)や‘オレンジミント (Orange Mint)‘’、レモンミント (Lemon Mint)‘’、グレープフルーツミント (Grapefruit Mint)‘’、ライムミント (Lime Mint) ’、‘ラベンダーミント (Lavener Mint) ’ などがオーデコロンミントの別名や同系統品種として流通している。‘ミッチャムミント (Mitcham Mint, Mitcham Peppermint)’ は、英国ミッチャム地方産で、‘ブラックミッチャムミント (Black Mitcham)’と‘ホワイトミッチャムミント (White Mitcham)’があり、茎が赤紫色で強靭な‘ブラックミッチャム’が、収油率も 0.6~ ~ 0.8%と高くてペパーミントの主流。‘トッドミッチャムミント (Todd’s Mitcham)’はペパーミント王と呼ばれた米国ミシガンの Todd のミント会社 A.M.Todd Company で作出されたブッラク系品種で、精油原料に栽培される。‘キャンディミント (Candymint)’は、ブラック系の品種で精油を採るため栽培される。‘ペパーミント・バリエガータ (Variegata)’はブラック系斑入り品種‘。チョコレートミント (Chocolate Mint)’は、ブラック系品種でチョコミントを連想させる香り。
‘ブルーバルサムミント (Blue Balsam)’はブラック系品種。‘スイスリコラミント (Swiss Ricola Mint, Swiss)’はブラック系品種でリコラのハーブキャンディの香り付けに利用。‘カールドペパ ーミント (Curled Peppermint)’‘(カーリーペパーミント (Curly Peppermint)’, ‘Crispa’) はホワイト系の縮緬品種で、葉が縮れ、欠刻(切れ込み)があり、強いペパーミント臭で薬用や食用とされる。縮緬品種はスペアミントにもあるので注意。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × pyramidalis Ten. ピラミダリス 〈ピラミッド型の〉 [M. hirsuta subsp. pyramidalis (Ten.) Nyman, M. × reverchonii Briq.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ピラミダリス
特徴 / M. aquatica L. と M. spicata subsp. condensata (Briq.) Greuter & Burdet の交雑種。交雑親から、ペパーミントに近い種。イタリア、クレタ島原産。葉はペパーミントよりもやや丸みがある。花はペパーミントに似た穂状花序を頂生する。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × rotundifolia (L.) Huds. ロトゥンディフォリア 〈円形葉の〉 [M. × fragrans
C.Presl]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ フォールスアップルミント (false apple mint)、 Egyptian mint, 円葉 薄荷
特徴 / M. longifolia (L.)L. と M. suaveolens Ehrh. の交雑種。アップルミントと同一種としている記載が多いので注意。欧州原産で、世界各地に分布。草丈50cm。葉はアップルミントに似ているものとホースミントに似ているものなど、いくつかの系統があると思われる。花は穂状花序が頂生し、花色は薄紫。アップルミントと同様に利用される。中薬では全草を魚香草(ギョコウソウ)と呼んで胃気痛などの、根を魚香根(ギョコウコン)と呼んで赤白痢などの治療に用いる。精油成分はピペリテノンオキシドを80%含有するものや、ピペリテノンオキシドとシスピペリトンオキシドを共に30%含有するもの、ピペリトールを58%含有するもの、メントールを40%含有するものなど、多くのケモタイプが報告されている。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × smithiana R.A.Graham スミティアーナ 〈英国の植物学者 James Edward Smith への献名〉 [M. × rubra Sm.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ スミスミント (Smith’s mint)、red stem mint, red raripila mint
特徴 / M. aquatica L. と M. arvensis L.、M. spicata L. の交雑種。欧州原産。草丈60cm。葉長6cm、花は各葉腋に輪生し、花色は白~桃、紫。サラダや飲料に用いられる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × verticillata L. ウェル ティキルラータ〈輪生の〉[M. × sativa L.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ ウォールドミント(whorled mint)
特徴 / M. aquatica L. と M. arvensis L. の交雑種。欧州原産。草丈70cm。茎は赤紫色。花は各葉腋に輪生し、花色は薄紫。料理や薬用のほか、かつてタッジーマッジーなどで不快なにおいから逃れるために用いられ、現在でも香りを楽しむためや蜂や蝶を誘引するために、欧州を中心に庭に植えられる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × villosa Huds. ウィルローサ〈軟毛の〉[M. × villosa var. alopecuroides (Hull) Briq.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ メンタ・ウィルローサ , モヒートミント (mojito mint)、イエルバブエナ (herba buena)、 ボールズミント (Bowles’ mint)、 apple mint, Hain- Minze, spearmint, woolly mint
特徴 / M. spicata L. と M. suaveolens Ehrh. の交雑種。欧州を中心に、北米北東海岸やブラジルなどで広く栽培されている。同じくモヒートミントと呼ばれる M. nemorosa Willd. やアップルミント、スペアミント‘ケンタッキーカーネルミント’との混乱が見られる。草丈90cm。葉はスペアミントとアップルミントの中間のようだが、スペアミントに近い無毛のものからアップルミントに近い有毛のものまで見られる。花はやや太い穂状花序が頂生し、茎頂付近でよく分枝してたくさん着く。花色は薄紫。モヒートなどの飲料やサラダなどの料理、薬用、クラフト用など、広く生活利用される。精油の主成分はピペリテノンオキシドで含有率は55 ~ 95%まで様々な報告が見られる。‘ボールズミント (Bowles’ Mint)’はかつて M. × villosa var. alopecuroides (Hull) Briq.の学名で変種扱いだったが、今は同一種扱いとされ、料理や飲料のほか、咳や喉の痛みを和らげるなどに用いられる。

学名 種名のラテン語読み〈種名の意味〉[主要なシノニム] / Mentha × villosa-nervata Opiz ウィルローサネルワータ〈軟毛の・葉脈の〉[M. viridis var. villosa-nervata (Opiz) Briq.]
一般名(ない場合や他と同じ名称の場合に学名のラテン語読み)/ イングリッシュホースミント (English horse mint), sharp-toothed mint
特徴 / M. longifolia (L.)L. と M. spicata L. の交雑種。欧州原産。

当協会理事
木村正典 きむらまさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第52号 2020年6月