薬学教育、研究への寄与と共に地域貢献の役割をもつ薬用植物園 北里大学 薬用植物園
植物園めぐり #08 北里大学薬学部附属 薬用植物園(神奈川県相模原市)
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薬学教育、研究への寄与と共に地域貢献の役割をもつ薬用植物園
1965年、福島県二本松市の大学実習所内に開設された北里大学薬学部附属薬用植物園。当時はキハダの苗の植栽や薬用ダイオウの定植などが行われ、キハダの樹皮は黄柏として生薬学実習の教材に提供されていました。72年、現在でも重要な薬用植物の1つであるミシマサイコがかつて自生していた、ここ相模原の地に大学附属施設としてキャンパス内での再スタートを切りました。
1992年に完成した360°展開のドーム型温室内には約200種、屋外も含めると約900種の薬用植物が植栽されています。
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ドーム温室を中心に8エリアで構成される植物園
北里大学薬学部附属薬用植物園には学生や一般の方が見学できる標本園と、薬学研究を行うため研究圃場があります。標本園は植物の役割や形態ごとに、大きく「ロックガーデン」「薬用草本区」「薬用果樹区」「ドーム温室」「有毒植物区」「薬用木本区」「日陰植物区」「植物生態区」の8つのエリアに分けられており、園全体の景観や季節に合わせて薬用植物の色、形、香りを体験できるよう工夫した展示がされています。特にドーム温室は園の中心的な存在で、数多くの熱帯・亜熱帯の薬用植物を見ることができます。
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ドーム内には十分な太陽光が取り入れられ、温度や潅水の環境制御を行いながら、熱帯・亜熱帯の薬用植物を効率的に植栽しています。
3月から5月にかけて見頃を迎える薬用植物エリア紹介
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バイモ(別名アミガサユリ)
Fritillaria thunbergii
[ユリ科]
薬用部位:鱗茎
薬効:鎮咳・去痰
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アンズ
Prunus armeniaca
[バラ科]
薬用部位:種子
薬効:鎮咳
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ゲッケイジュ(別名ローレル)
Laurus nobilis
[クスノキ科]
薬用部位:葉、果実
薬効:解毒、抗菌
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サンシュユ
Cornus officinalis
[ミズキ科]
薬用部位:偽果
薬効:強壮
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ジオウ
Rehmannia glutinosa
[ジオウ科]
薬用部位:根
薬効:補血、緩下
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シャクヤク(品種梵天)
Paeonia lactiflora
[ボタン科]
薬用部位:根
薬効:鎮痙、鎮痛
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チョウセンレンギョウ
Forsythia viridissima var. koreana
[モクセイ科]
薬用部位:果実
薬効:抗菌、消炎
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ボタン
Paeonia suffruticosa
[ボタン科]
薬用部位:根皮
薬効:駆瘀血
Column
地域貢献としての取り組み
薬用植物栽培・加工体験講座
北里大学薬学部附属薬用植物園では相模原市との「新都市農業推進協定」に基づき、相模原市在住及び在勤の市民向けに薬用植物栽培や加工を体験する講座を開催しています。これまでは春の植物の種蒔きから、夏の間引き・支柱立て、秋の収穫までの作業体験、「生薬と薬膳」「漢方薬」「雑草の知識」といった植物に関する知識が学べる講義、収穫物の加工作業としてのお茶づくり体験など、年間を通じ様々な講座やシンポジウムを実施しています
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Information
北里大学薬学部附属薬用植物園
住 所 :〒252- 0373 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
T E L :042-778-9307、9308
開 園 日 :大学の休日を除く毎日(ドーム温室は日・祝日閉館) 開園時間 : 9:00~17:00
入 園 料 :無 料
※園内には駐車場がありませんので、車での来園はご遠慮ください。
※団体による見学は、事前にお電話でご相談ください。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第51号 2020年3月