2021.3.3

ガーデニングデザイン #4 「ようこそ私の庭へ」

樹木医

本位田有恒

今回ご紹介するのは暮らしをテーマにしたガーデン。それは自分を主人公にストーリーをつくり出すことで始まります。

主人公になって庭づくりを楽しもう

神戸布引ハーブ園には、「四季の庭」というガーデンがあります。

ローズのかぐわしい香りでお出迎えしてくれる「おもてなしの庭」。お家に入るまでの階段沿いのガーデン「くつろぎの庭」は、かわいいお花が誘導してくれます。収穫できる段々畑は「よろこびの庭」でもあります。そして、草花が風にそよぐ姿が懐かしい景色を思い出させてくれる「いやしの庭」の4つでストーリーが構成されています。
 
それぞれのガーデンは、コテージに住んでいる主人公が丹精込めたお庭。皆さんもぜひ主人公になって、お庭づくりを楽しんでみてください。

おもてなしの庭

ローズの香りは誰をも笑顔にしてくれます。宿根草や1年草を足元にあしらい、彩りも楽しませてくれるガーデンです。ようこそ、わが家へ。まさしくおもてなしをするお庭です。植栽されているローズは主にイングリッシュローズです。

よろこびの庭

ハーブのある暮らしは、育てるところから始まります。収穫の喜びをこの畑の景色で感じていただけます。春はハナナやカモミール。夏はヒマワリ。秋にはコスモスが咲き誇ります。収穫物を乾燥保存する物置小屋(シェッド)は、景色のアクセントになっています。

くつろぎの庭

階段沿いには、色とりどりのカワイイお花やハーブたち。コテージには、タイルをはったキッチンや調理道具を並べた棚など、人が暮らしている気配を想像することができます。テラスではテーブルクロスを敷いてワインで乾杯!

いやしの庭

春から夏にかけて優しい香りが漂うフェンネル。秋にはフジバカマの甘い香りに誘われて、アサギマダラ(蝶)がやってきます。ススキや色とりどりのセージ類は風に揺れて、秋の風情を感じることができます。ハンモックに寝転べば、誰もがくつろげる場所となるでしょう。

まとめ

子どもの頃、夢見た童話の世界。また旅行先で見た素敵なお庭。くれることでしょう。いきつけのカフェもみどりで囲まれたゆったりした空間。自分 素敵な「みどり」との出会いは、人の暮らしを豊かにしてくれの好みを大切に、イメージを膨らませてみましょう。さりげなます。ある時は癒やされ、ある時は活力をもらう。そんな「みどり」く置いた小物や遊び心は訪ねてこられた方をきっと笑顔にしてとこれからもゆっくりおつき合いしていきたいと思います。

樹木医
本位田有恒 ほんいでんありつね
公園管理運営士。神戸布引ハーブ園支配人兼園長。大学で造園について学び、神戸市の都市公園・日本庭園「相楽園」の園長を務めるなど、数々の庭園や公園づくりに携わる。神戸市の緑花まちづくりにも取り組み、植物に対して深い造詣をもつ。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第47号 2019年3月