2018年9月2日「メディカルハーブベーシックセミナーin北海道」参加レポート
プログラム1『植物たちはすごい!』の田中修先生はとても親しみやすみ口調で、講演が始まるとさっそく会場を和ませて下さっていました。
まず始めに印象に残ったのが『環境を知ることは身近な植物を知ること』という先生の言葉でした。先生の著書は以前から拝読させて頂いておりましたが、本から伝わる以上に先生が植物を尊敬していらっしゃるお姿に感動しました。もし葉っぱのまねが出来れば、環境問題は解決するそうです。二酸化炭素を利用できれば二酸化炭素の問題は解決し、さらにトウモロコシなどのバイオエタノールで車を動かせばガソリンを使わずに済む。葉っぱはこれらの問題を解決している!!!つまり『私たちの科学は、1枚の小さな葉っぱに及ばない。』とおっしゃっていました。植物が二酸化炭素を利用することを知ってはいたけれど、私たち人間が抱えている問題を植物はすでに解決することが出来ていたわけです。小さな葉っぱを見る時の視点が変わり、本当に植物の偉大さを垣間見みました。
子孫を残す力とは?では、『変化できるものが生き残る』と先生はおっしゃっていました。企業と同じですね。もしくは、生き残る術はどこも共通ということなのでしょうね。それは人も同じ。人も今に満足したら、次の一歩を考えて進んでいきたいものだと先生や植物から学ばされました。植物が具体的にどうやって変化をうながしているかというと、例えばめしべがおしべよりも高い位置にあるのは、他の種の花粉をつけたがっているから。そうすれば、バリエーションが増えて強い子孫が残せる。こんな植物視点に立たれた表現をされているのも本当に先生の魅力とつくづく感じました。
最後に『植物たちの生き方に思いをめぐらせて欲しい』という先生の思いの詰まった言葉に、私には先生が植物の通訳をしているかと思えるほどでした。貴重な内容の講演をありがとうございました。
プログラム2は細川賜美先生による『メディカルハーブでテーマに沿ったブレンドティーをつくろう!』というワークショップです。
紹介されたハーブはメディカルハーブ検定で扱われる15種類のハーブでした。どれも日常使いのハーブでしたが、ハーブの使い方だけでなくそのハーブがもつ逸話なども紹介されていて、とても和やかな講座でした。例えば、エルダーフラワー。今年イギリス王室でヘンリー王子とメーガンさんの結婚式がありましたが、そこで登場したケーキがエルダーフラワーコーディアルとレモンのケーキだったそうです。他にも、赤ちゃんのゆりかごにエルダーの気を使うと、エルダーの木の精が赤ちゃんにいたずらをするとか。また、パッションフラワーにおいては、心に心配がわき上がってきたらパッションフラワーのティーを飲みながら、パッションフラワーに不安を預けると良いとも教えて頂きました。ハーブの作用がこうだからこのハーブを選ぶ、というだけではなく、ハーブに語りかけるようにハーブと関わっていらっしゃるお姿に感動したものです。
後半は参加者が各班ごとにテーマに沿ってハーブをブレンドしていきます。私が参加した班のテーマは『不眠』でした。普段からハーブをブレンドしていると、どうしてもワンパターンになりがちです。しかし、このワークショップに参加したお陰でみなさんのブレンディングに触れることができ、ブレンドの幅が広がりました。私は普段パッションフラワーはあまり使わないのですが、「心配を取り払ってくれるから」と、ブレンドのサブにあがりました。日頃使わないままでいたハーブに改めて触れる機会になるのもいいですね。エルダーフラワーやリンデンも加えたのですが、作用でブレンドに加えるだけでなく、「心に秋の日だまりのあったかさをいただきましょう。」と、そのハーブのもつイメージをいただくという発想にもなるほどと納得できました。最後には他の班でのブレンドティーも試飲でき、とても参考になるハーブブレンディングタイムとなりました。