2021.6.30
紙の手帳の脳科学的効用について使用するメディアによって記憶力や脳活動に差(東京大)
スケジュールなどを書き留める際に使用するメディア(紙の手帳や、スマートフォンなどの電子機器)によって、記銘(記憶の定着)に要する時間が異なり、想起(記憶の再生)での成績や脳活動に差が生じことを初めて明らかにしました。
本研究グループは、参加者に具体的な予定を紙の手帳か電子機器でメモさせ、MRI装置と想起課題を用いて予定の想起のプロセスを調べました。
その結果、記憶処理および言語処理に関係する脳領野の活動が、紙の手帳を用いた群で定量的に高くなりました。この結果は、電子機器にはない紙の特性が、五感を通して空間的な手がかりを与えることで、より深い記銘を可能にするという仮説を支持します。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第56号 2021年6月