世界を巡るハーブの食卓 from Hawaii
ポケ(POKE)
古くからハーブは身近な暮らしの中で活用されてきました。
その知恵は、各地域の家庭料理にも見ることができます。
今回は、常夏の島ハワイから南国の風と共にお届けします。
島の恵みをバラエティ豊かに
ハワイは先住民であるポリネシアンと19世紀以降に移民した様々な人種の人々が暮らす多民族社会。ポリネシアンがかつてこの島に持ち込んだ農産物や家畜類、そして豊かな海の恵みによってハワイ料理は発展しました。一方で、移民たちによって育てられた「ロコフード」も人々に親しまれています。“人種のるつぼ”ともいえる歴史的背景が、バラエティに富んだハワイの食文化を形成しています。
マグロとアボカドのポケ
ポケ(POKE)とはハワイ語で「切身」。ハワイでは昔から、獲れたての魚をさばき、塩で味つけして海藻などと一緒に食べる習慣がありました。
材料(2人分)
赤身マグロ刺身(ひと口大)150g
アボカド(ひと口大)1個
玉ねぎ(スライス)1/4個
アサツキ(小口切り)5本
シソ(細切り)3枚
作り方
- マグロは塩で下味をつける。アボカドはレモン汁を振りかける。玉ねぎは水にさらしておく。
- みりんは600Wのレンジで20秒加熱し、粗熱をとる。それにしょうゆ、ゴマ油を加え、たれを作っておく。
- アボカド以外の材料を全てボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
- 最後にアボカドを加えて軽く混ぜ合わせて盛りつける。
*お好みでニンニクやしょうが、ワサビ唐辛子などを加えてもよい。
*食べる直前に混ぜ合わせたほうがよりおいしい。
Herb Memo
ニンニク(ユリ科)
古代エジプトでは、ピラミッド建設時に労働者の滋養強壮のために与えられていたといわれる。殺菌力が強く、かぜや食中毒の予防にも効果的。
コリアンダー(セリ科)
香辛料や調味料、薬用として数千年前から利用されてきた。タイでは「パクチー」、中国料理では「香菜(シャンツァイ)」と呼ばれる。独特の香りは食欲増進作用をもつ。
シソ(シソ科)
抗酸化作用が強く老化防止にも有効。香り成分にはリラックス効果があるといわれ、刻むことでより香りが立ち、薬効も高まる。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『HERB & LIFE』 VOL.9:2015年6月