スパイスのある暮らしを楽しもう〜インド旅行編
スパイスの楽しさを紹介するため、雑誌やテレビなどでも活躍するスパイスコーディネーター
大平美弥さんのコラム。今回は、インド旅行後編です。
私が初めてインドへ行ったのは9月の末。日差しは強く暑かったのですが、初秋の気配も感じることができました。
今回は旅行記の後編です。前編では、アグラの街へ行き、タージマハルを見学したところをまでお話ししました。
ドライバーさんと
アグラの街でも、デリー市内と同様、車道と歩道が面白く、たくさんの荷物を積んだ牛や馬が道路を闊歩していました。同じく道路を走る車にぶつかってしまわないかと心配になります。車の多くは大勢の人を乗せていて、特にトラックは荷台にまで!
建造物は様々な様式が入り混じっていました。窓ひとつとってもきれいで、たくさん写真におさめました。
食べ物は毎日スパイスを使った料理でした。少し高級なホテルで食事をすると、ブッフェスタイルで様々な品が選べますが、どれも野菜や肉をスパイスで炒めたもの。日本人の多くが「カレー」と呼んでいるものです。これはベースがスパイスなので、みな同じ味と思われる方も多いかもしれませんが、一つひとつスパイスの配合が違っているため、全て味が違うのです。なんのスパイスが使われているかを考えながら食事を楽しみました。
食後にはチャイを飲みたいと思ってオーダーしたところ、出てきたのはミルクティー。インドではチャイというと、ミルクティーのことを指すそうです。「マサラチャイ」と言わないとスパイス入りのチャイは出てきません。初日の食事で、この失敗を経験しました。マサラチャイは高級ホテルだけでなく、色々な場所で飲みましたが、どこもオリジナルのスパイスブレンドで楽しめました。
続いて現地の結婚式が見たくなり、デリーの地元ホテルへ。丁度よいタイミングで式が行われていました。体をターメリックで黄色にした新婦の姿には目を奪われました。参列者の色とりどりの衣装に目が釘付け。それはもう美しかったです。ここでの食事は迷いましたが、気軽に食べられる料理店に。ここもブッフェスタイルでした。日本人=観光客だからということもあるのでしょうが、一定料金を払うと色々なカレーが運ばれてきて、ナンやチャパティーにつけていただきます。ほうれん草、チキン、マトン、豆、野菜……。ライスはジャスミンライスがスパイスで炒められていて、ビリヤニ風でした。
また、とある日は料理教室に参加しました。実際の家庭に入り込み、その家族のお子さんたちとともに実習に参加。ママさんにチャパティーの作り方を教えてもらいました。その他、豆カレー、じゃがいものサブジなど、ビリヤニ風のライスも。鍋でゆでて作るのが一般的ということでしたが、ゆでて作るライスにはびっくりしました。豆カレーはターメリックとクミンがベース。スパイスが少ないのに香りが強く驚きました。
インドの食事
その他、アーユルヴェーダの教室にも参加しました。こころのあり方などを学び、自分の体質について考え直すきっかけに。「シロダーラ」というのをご存じでしょうか?「脳のマッサージ」とも言い、ストレスや不眠の方におすすめされることも。額に温かいオイルを垂らします。「宇宙へ行ったような感覚」と事前に説明を受けましたが、リラックスをして、眠ってしまいました。
スーパーやドラッグストアにも行きました。シャンプーやリンス、花粉症や鼻炎の時の鼻ストレスを軽減するものや軟膏など、様々な商品にスパイスやハーブの力が生かされていました。店員さんおすすめの、クローブで作った頭皮マッサージのクリーム、ターメリックの石鹸などを購入しました。
インドでは料理教室を2回。どちらもご家庭にうかがってきましたが、普通の家庭料理の経験はとても楽しかったです。皆さんも海外旅行の際は、ぜひ、お料理教室へ行ってみてくださいね。
前編はこちらhttps://www.medicalherb.or.jp/archives/194020
インドの鉄道
インドの車食
タージマハルの前で
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『HERB & LIFE』 VOL.18:2017年9月