アーユルヴェーディック スパイシースープ
~タンブンホディ作り~
スリランカはスパイスの宝庫。何千年も前からアーユルヴェーダでは、消化器系の治療薬や免疫力を高めるハーブ製品が使われてきました。
今回はスリランカで伝統的なレシピの1つとして愛されている“タンブンホディ(Tambun Hodi*)”をご紹介します。
胃に優しく、お腹の調子を整えてくれるので、食欲がない時や、出産後や病み上がりにもよいといわれる万能スパイススープ。夏は疲れたお腹の調子を整え、秋冬には体を温めてくれます。
材料(1〜2人分)
- タマリンドジュースまたはゴラカ 2枚(日本では手に入りづらいためライム半分で代用可)
- ブラックペッパー 4~8粒(パウダーは小さじ1/4杯)
- シナモンスティック 2~3本
- クミンシード 5~10粒(パウダーは小さじ1/4杯)
- レッドオニオン 1/8個
- にんにく 5~6片
- カレーリーフまたはベイリーフ 2~3枚
- 青唐辛子 2~3本(お好みで調整してください。入れなくても可)
- ターメリックパウダー 茶さじ1/4杯
- 塩 小さじ1/4杯
- レッドチリパウダー(お好みで)・小さじ1/8杯
- 水 400mL
アーユルヴェーダとは?
5,000年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療。「よりよく生きるための教え」として、瞑想やヨガ、オイルマッサージ、呼吸法、ハーブを用いた食事療法などを毎日の生活に取り入れて、病気を予防し、心と体の健康を保つことを目的としています。
作り方
- レッドオニオン、青唐辛子を切る。
- ライムの搾り汁以外の材料を全て鍋に入れ、軽く混ぜて、30分ほど煮詰める。味見をして塩で整える。
- 煮詰めたら、スパイスを取り出す(取り出したスパイスもおいしくいただけます)。
- 少し冷まして完成(ライムの搾り汁を使う場合は、ここで加える)。
POINT
アーユルヴェーダの考えるよい食事とは、1度に6つの味(甘味・酸味・塩味・辛味・苦味・渋味)を全て摂ること。
このスープは現代の食事では取りづらいといわれる「辛味・苦味」も含まれており、体が温まり、体内が動く(巡る)感じがします。
食欲減退しやすい晩夏、体を温めたい秋~冬にもぴったりのスープです。ぜひお試しください。
MEMO
スリランカ・日本でよく使われるスパイス
●ブラックペッパー
シャープでマイルドな辛さが特徴で、様々な料理によく合います。「スパイスの王様」と呼ばれ、古代アーユルヴェーダ医学で何千年にもわたって使用されてきました。
●シナモン
アーユルヴェーダでは食用の他、呼吸器系、消化器系、婦人科系の病気の治療薬とされています。樹皮、葉、花、果実、根などのほぼ全ての部分が、薬用や料理用に使用されます。
●ターメリック
カレーの色づけだけでなく、強力な抗炎症・抗酸化作用をもつことでも知られています。古来から、ウイルス感染症の治療やストレス解消に使われてきたそう。
●ニンニク
リン、カルシウム、カリウム、鉄、銅などのミネラル、ビタミンC・B6が豊富に含まれています。ビタミンCと鉄分は、免疫力を高め、季節的な感染症に対する抵抗力をつけるのに役立ちます。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第57号 2021年9月