薬草観察バスツアー in 山梨 シミック八ヶ岳 薬用植物園
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メディカルハーブコーディネーター 井上 恭輔
日程:2021年7月10日(土) 会場:シミック八ヶ岳薬用植物園
【ランチ編:マジョラム】
まず東京の新宿から出発し、最初の行先は山梨県北杜市小淵沢にある「パスタ&ピザ ガーデン マジョラム」さん。ネットで調べたところ、オープンしたのが2001年7月15日とのことで、20周年を迎える5日前に伺うことができて、とても光栄に思います。
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外観的にはいろんな植物たちに囲まれた緑多き古民家風といったところで、いざお店の中へ入るととてもお洒落で天井もほんの少し高く、店内奥にはキッチンの様子も垣間見えたりと飲食店経験者としては少し得した気分でした。
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出して頂いた料理はドルチェを含め全部で7種類。サーモンを使用したハーブマリネの前菜盛合せをはじめ、驚いたのが種類の異なるホール状のピザが3種類出てきたことです。サービス精神に感動しました。また、食卓を囲むことで会話も弾み様々な肩書きや背景をもつ方々がいらっしゃいました。
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ちなみに店名でもある“マジョラム”。ピザのトマトソースや肉料理などに活用しているそうで、出して頂いたピザの写真を振り返ると該当しそうなものがありました。
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最後に余談ではありますが、マジョラムに着く直前に馬術競技場があり、乗馬での外乗コースがあることを知っていたので、乗馬にも興味がある身としては乗馬ついでにマジョラムさんでランチというのもアリかもしれません。
【ミニ講座編:山の幸展示館】
続いて、マジョラムさんからバスで5~6分の所にあるシミック八ヶ岳薬用植物園内の「山の幸展示館」で、山梨県森林総合研究所の森林研究部長の戸沢一宏氏から薬用植物のミニ講座をして頂きました。主にプロジェクターを使用した薬用植物におけるプロフィールについての講座で、次から次へとスライドが進み、メモをとる余裕がなかったのでスマホのカメラで何とか収めることができました。
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私的に気になったのが「ギョウジャニンニク」と「ショウガ(スープ)」の2つ。ギョウジャニンニクは、冷奴やチャーハンの香りづけによいということ、そしてショウガ(スープ)は、冷えの対策によく使われているとのことで、このくらいなら気軽にトライすることができるので、今度やってみようと思います。
この他にも、様々なテーマで月2回開催されている「山の幸教室」や戸沢氏の実体験を交えたハーブ料理の話、また“抗酸化活性値(ORAC)”という抗酸化力の新しい指標となるものについても初めて知ることができたりと新しい発見にもつながりすごくためになる講座でした。
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【散策編:シミック八ヶ岳薬用植物園】
最後に、ミニ講座をして頂いた戸沢氏から山の幸展示館の目の前に広がるシミック八ヶ岳薬用植物園をご案内して頂きながら園内を散策するといった内容でした。
シミック八ヶ岳薬用植物園は、八ヶ岳の麓、標高900mにあり、戸沢氏が説明する植物だけでも初めて聞くようなものばかりで、メモをとったり写真を撮ったりで自分のことで精いっぱいでした。その中でも、メディカルハーブ検定公式テキストの表紙にもなっているエキナセアを見つけたり、「ウラルカンゾウ」と「スペインカンゾウ」が外見上似ていたり、「ミヤママタタビ」の名前の由来が“マタタビ”に似ていることから来ているというお話を聞けました。
また特に、印象深かったのがトウゴマの種子から抽出される“リシン”という成分が猛毒でトウゴマを粉末にするとマズいとのことで、栽培すること自体の許可を取るのも非常に難しいというとても刺激的で滅多に聞くことのできない貴重なお話まで伺えて、とても濃い1日となりました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第57号 2021年9月