2022.10.5

関東地区イベント 報告 ハーブ王子に学ぶ 海の野草観察会

藤井みのり

日程:2022年6月1日(水) 会場:鎌倉海浜公園稲村ケ崎地区

集合場所の稲村ケ崎駅に降り立つと、初夏の日差しが眩しくて、少し潮の香りもして、ワクワクしました。ハーブ王子の山下智道さんは、驚くほどの美声が路上でも聴きやすく、豊富な知識が楽しい才能ある方で、女性ばかりの集団においてまさに王子(笑)。

山下さんの解説は、集合場所に生えていた植物から始まり、エンターテイメント性あふれるフィールドワークでした。

海岸まで歩いて10分もかからない距離なのに、海に到着するまでに、なんと1時間弱が経過。道端や庭にいる植物たち1つひとつを丁寧に、歴史や薬効、料理方法、なぜここに生えているのかなど、教えていただき、楽しかったです。

こんなにも豊かな植生が、自分たちの身近にあったことに、驚きがありました。また、自分が子どもの頃から好きで、出会うと葉をちぎって香りを楽しんでいた植物の名前が「浜の香りと書いて浜香(ハマゴウ)」という植物だと知り、とてもうれしかったです。

浜辺でも、アイスプラントの近似種ツルナや、日本の海藻の3分類、海から流れ着いたであろうタネから育った長命草など、各種を紹介いただきました。海を渡る種があることに気づかされ、そのロマンに心が躍りました。その後は、医師で細菌学者のロベルト・コッホ氏の石碑がある鎌倉海浜公園へ。珍しい野草入りクッキーをいただきました。

今回、特に面白かったのは、今まで見過ごしていた植物が、このフィールドワークの後、急に日常生活の中で目に留まるようになったことです。ここにも「シロザ」がいる、と気づいたり、庭に生えていたのは「カニ草」だったんだ、など。

図鑑を読んで知るのでは味わえない、フィールドワークならではの、見て触れて香って、まさに五感で植物を経験する贅沢な時間でした。

企画・実施くださった山下智道さん、JAMHAスタッフの皆さまと、参加者の皆さまに、この場をお借りして、穏やかで楽しい時間を過ごせたことへのお礼を申し上げます。有難うございました。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第61号 2022年9月