2022.10.5

植物園見学会 in 埼玉 メディカルハーブガーデン 生活の木 薬香草園

メディカルハーブコーディネーター、ハーバルセラピスト

佐藤仁美

日程:2022年5月27日(金) 会場:メディカルハーブガーデン 生活の木 薬香草園

びっくりするほど強い雨が降りつけたこの日の午前中。本当に開催されるのだろうか?とドキドキしながら飯能に向かいましたが、集合時間の1時間前には見事快晴に。無事到着した植物園では、水をたっぷり吸った植物たちが生き生きと出迎えてくれました。

まずはガーデナーさんの案内による薬香草園見学。普段から植物のお世話をしているガーデナーさんのお話は、家にいては知ることのできないような裏話や植物への愛にあふれており、いつまでも聞いていたいほどの面白さでした。

寒さに弱い植物の冬越しの苦労話、自分の陣地からしょっちゅう「おでかけ」してしまう繁殖力旺盛な植物たち。また、生活の木薬香草園では養蜂もしているのですが、見学会の途中で急に上空がミツバチの大群で埋め尽くされる珍事が発生。「まずい…引っ越されてしまう…」と頭を抱えていたガーデナーさんには申し訳ないのですが、面白い出来事でした。

その後は、3kgの乾燥したローズマリーの蒸留を見学。大きな装置の操作は思いのほかシンプルで、蒸留を開始してから10分もすれば蒸留水が出てきました。手に取って香りを嗅ぐと、生のローズマリーとはかなり違う「もわっ」とした強い香りが。好みでいえば生のすっきりした香りのほうが好きですが、そんな違いを体験するのも楽しいことでした。

ハーバルセラピストの勉強で蒸留装置の仕組みは理解していたものの、実際に精油が管の蒸留水の上部に溜まっていくのを見るのは感動的でした。たくさんのローズマリーから採れた宝物のような精油。それらをぜいたくに使い、ルームスプレーと石けんを作りました。夏にぴったりな青色のさわやかな石けん。使うのが楽しみです。

五感で楽しむ植物園での時間はあっという間に過ぎました。様々な色、形、香りに癒される至福のひと時。私も小さなハーブ園を作っていますが、そのような体験を生み出せる場所にしたいなと思いました。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第61号 2022年9月