2022年8月11日 第5回学術フォーラム:ハーブサプリメントのエビデンスと精神疾患の栄養食事指導
- 日時:2022年8月11日(木) 13:00~17:00
- 会場:オンラインにて
- 司会:村上志緒学術委員会委員長
- 参加者:申込み193名、当日参加100名、アーカイブ閲覧183回
【第一部】蒲原聖可先生(神奈川歯科大学大学院統合医療学講座)「ハーブの最新エビデンス – COVID-19対策から健康寿命延伸のための適正使用に向けて」
COVID-19感染リスク低減・重症化予防・後遺症改善について、ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、n-3系脂肪酸、プロバイオティクス、及び還元型コエンザイムQ10などの栄養素に加え、エキナセアやクルクミンなどのハーブの有用性及び服用量を含むサプリメントの適正使用について最新エビデンスをもとに詳しくお話いただきました。
また、健康寿命延伸に関して、認知症及び脳卒中の予防における葉酸やイチョウ葉のサプリメント摂取の有用性や、サプリメントや機能性食品を用いた各自治体の健康増進への取り組みについてもご紹介いただきました。
【第二部】功刀浩先生(帝京大学医学部精神神経科学講座)「精神疾患の栄養食事指導」
現代の食生活では、果物、野菜、食物繊維、及びミネラルが不足していること、また、うつ病に関係する栄養として、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、鉄、亜鉛、マグネシウム、必須アミノ酸、n-3系脂肪酸、食物繊維、プロバイオティクス、さらに緑茶やコーヒーについて、エビデンスをもとに詳しくお話いただきました。
また、自分でできる予防の一環として、朝食を食べる必要性とその朝食例、地中海式料理を参考にすること、不足分をサプリメントで補うことなど、わかりやすくご説明いただきました。
【パネルディスカッション】
林真一郎理事長の司会で講演内容を更に掘り下げて討論を行い、理解を深めました。
今回は、お二人の先生から、異なる疾患における栄養の重要性についてお話いただきましたが、いずれにおいても共通の栄養成分の摂取と腸内環境を整えることの重要性が示され、病気の予防にも健康増進にも、食事とサプリメントを上手に用いて栄養の土台を整えることが大切であること、また、その活用法を具体的に学べるよい機会となりました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第62号 2022年12月