2023.1.20

植物園見学会 in 兵庫 神戸市立森林植物園~樹木医から森林を学ぶ

ハーバルセラピスト

山口良子

日程:2022年5月9日(月) 会場:神戸市立森林植物園

約1200種類もの大木植物を中心に植栽展示している神戸市森林植物園に「樹木医から森林を学ぶ」にお仲間に誘われて一緒に参加しました。空は曇り空でしたが、新緑もところどころ見ることができ、いるだけでも森林セラピー。森林成分フィトンチッドも感じられながら身も心も洗われます。

樹木医でもある副園長の本位田先生に引率していただき約2時間広大な敷地内を散策しました。始めは、時期的にも終わりかかってきたツヅジ、芍薬の園からスタートし、葉や花の形、樹木の特徴を膨大な知識で説明いただきました。中でも葉の形からトチノキとホオノキの見分け方について、葉柄が葉1枚についていれば「ホオノキ」、葉柄が1つにつき5枚葉がついた手のひらの形をした複葉であれば「トチノキ」というお話もなるほどな~と、植物の観察は面白いなと感じました。

また、同じ樹木でも、産地によって、姿や薬効目的も異なるお話や、動けない樹木が、生存のために様々な知恵を働かせていることから、改めて私たち動物との共存についても考えさせていただきました。

前後のお話では、剪定のよい例、悪い例、どういう目的で剪定をするのか、その辺りの現場で様々な植物の様子から年間を通して見守りながら剪定を行っている樹木医のプロとしてのお話は、単なる一過的でないものだと気づきにもなりました。

個人的には以前訪れた大阪能勢町にある国の天然記念物「野間の大けやき」。この大けやきの寄生している、宿り木の剪定についても、単なる伐採でなく、伐ったあと樹形がどうなるか生育環境に応じた樹形に整えること。何よりも大事なことは、樹木からメッセージを読み取り、本当に樹木が望んでいることなのか、樹木との会話を行いながらお手入れを行っている裏方のお話についてそんな一面もあったんだなと、改めて感動いたしました。

植物たちも一年を通して時には寄り添い時には傷つけ時には私たちを暖かく見守っているそんな広大な樹木物語にたっぷりと浸ることができた1日でした。

あっという間の2時間でしたが、こうした企画、運営をしてくださったスタッフの皆さま貴重なお話や体験をさせていただき本当にありがとうございました。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第62号 2022年12月