エストロゲンの分泌量は20代でピークに達し、およそ20年間の成熟期を経て、ホルモンを分泌する卵巣の機能は少しずつ低下していきます。

更年期になると分泌量は急激に減少し、やがて閉経を迎えてエストロゲンの分泌がなくなります。こうしたエストロゲン分泌量の変化に伴って、体の状態や起こりやすい不調も変わってきます。

女性のライフステージ別ヘルスケア:思春期（ししゅんき）

こんな時期

初潮を迎える10代前半からエストロゲンが増え、徐々に丸みを帯びた女性らしい体つきになります。卵巣や子宮が未熟で女性ホルモンの分泌が不安定なため、生理が急に来たり遅れたりする月経不順や月経痛が起きやすく、精神的にも不安定な時期です。

起こりやすいトラブル

月経不順、月経痛、月経前症候群（PMS）、便秘、肌荒れ、頭痛、摂食障害、思春期うつ、不登校など

ケアのポイント

• 月経、妊娠についての正しい知識をもつ
• 規則正しい生活リズムをつくる
• 間違ったダイエットをしない
• 骨格ができ上がる時期なので、タンパク質、カルシウム、鉄、ビタミン類の不足に気をつける

イラスト ＝ チチチ

いりたに内科クリニック院長

入谷栄一 いりたにえいいち

総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医。東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師。在宅診療や地域医療に力を入れる他、補完代替医療やハーブ、アロマに造詣が深く、全国各地で積極的に講演活動も行う。著書に『病気が消える習慣』、『キレイをつくるハーブ習慣』（経済界）など。当協会顧問。