ていねいにつくるスパイスミルクティー
スリランカは世界でも有数の紅茶の産地。朝昼晩と1日3回は甘いミルクティーを飲むのが習慣だそう。
アーユルヴェーダの健康の定義の1つに、五感が正常であることがあります。
例えばクローブってどんな味かなと思ったら、ぜひかじってみてください。
今回はスパイスの風味がしっかり感じられる、香りいっぱいのミルクティーを作ります。
スパイスの「香り」「味」、ミルクティーを作る時の「音」「色」スパイスを手で「触」れて、
ていねいに作りましょう。体質別、シーン別のレシピもご紹介します。
基本のレシピ 約2杯分(400mL)
[材料]
シナモン2本
カルダモン3個
クローブ1個
紅茶葉(今回はスリランカ産アッサム使用)小さじ3、
水400㏄
牛乳200㏄
※水は煮詰めて半分の量まで減らすため、牛乳と水は1:1ででき上がります。
黒糖お好みの量(大さじ2程度)
[用具]
小鍋、カップ、
ティーポット、
茶こし(必要であれば)
ONE POINT
セイロンシナモン/巻きが細かいものがより香りが高くおすすめ。寒い季節はより体を温めてくれるカシアが向いている。
カルダモン/牛乳の粘性を取り除く。過剰な粘性は消化不良やスロータス(体内の管)の詰まりの原因に。
クローブ/消化促進に。香りが強いため少量でOK。
紅茶葉/ほうじ茶やルイボスレッドでもおいしい。
黒糖/牛乳とスパイスによく合う。ぜひ黒糖でどうぞ。
スパイスは作る直前につぶしたり、ちぎったりして使いましょう。パウダーよりもホールを使うことをおすすめします。
作り方
- 小鍋に紅茶葉と水、シナモン、クローブを入れ、強火で沸かす。
強火で沸かすことで、香りをしっかり出す。 - 水が半量まで減ったら(大体3分ぐらい)、ハサミや包丁でカットしたカルダモンを入れる(鞘も入れる)。
- カルダモンの香りがしっかり出てきたら、牛乳を加え、中火にする。
- 焦げないように注意しながら、温まったら、黒糖を入れ、よく混ぜる。
- 最後に強火にし(香りをうつすため)、沸騰手前で火を止める。ティーポットに移し、お好みのカップに注ぐ。黒糖のほのかな甘みが心を落ち着かせ、スパイスの香りが口いっぱいに広がる、おいしいミルクティーの完成!
MEMO
19世紀頃、品質の悪い茶葉をおいしく飲むために工夫されてできたのが、チャイと呼ばれるスパイスミルクティー。
ダストティー(細かく安い茶葉、茶を製造する過程で大きな葉が崩れたもの)を使うため、熱湯で淹れても抽出されにくく、煮出して淹れます。しかし煮出すと、ストレートで飲むには濃すぎるため、ミルクや甘味を加えるようになったそう。
OTHER こんな時の “スパイスミルクティー”
※分量は目安です。ぜひお好みの香り高いスパイスミルクティーを作ってみてください!
「1日元気に過ごしたい」
「朝の一杯に」
基本のレシピ+ブラックペッパー5粒
ドライジンジャー小さじ1
ターメリックパウダー小さじ1/2
- ブラックペッパーとドライジンジャーは初めから入れ、ターメリックパウダーは火を止めた後、入れる
「ちょっと一息クールダウン」
「ランチ後のティータイムに」
基本のレシピ+フェンネル小さじ1
牛乳→アーモンドミルクに
- 煮出す時間はやや少なめに(苦味の軽減)
- フェンネルはカルダモンと一緒に入れる
「今日は一日疲れたな」
「夜寝る前のリラックスタイムに」
基本のレシピ+スターアニス1個、
ブラックペッパー3粒
ジンジャースライス2枚
- スターアニスとブラックペッパーは初めから入れ、ジンジャースライスは火を止めた後、入れる
- 煮出す時間はやや少なめに(苦味の軽減)
アーユルヴェーダとは
5,000年の歴史をもつインド・スリランカ発祥の伝統医療。「よりよく生きるための教え」として、瞑想やヨガ、オイルマッサージ、呼吸法、ハーブを用いた食事療法などを毎日の生活に取り入れて、病気を予防し、心と体の健康を保つことを目的としています。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第63号 2023年4月