2022年10月21日~23日 薬草観察バスツアーin高知 ~牧野植物園と四万十の旅~
日程:2022年10月21日(金)~23日(日)
『原色牧野植物大図鑑』を開いて、参考にしながら日本画を描いていた母。そして私は、薬草やハーブに惹かれている。牧野植物園は行きたいと呪文を唱えるように憧れていた。
10月21日、この日は半袖でもいいような暑い日。2か所の集合場所、高知駅と高知竜馬空港からの参加者でバスは満席。街中から急に山道を登り始め、高知市内が眼下に開けて見えてきた。植物園は五台山竹林寺の南の坊にあるという。
正門前で降り、門に入った途端、たくさんの植物一つひとつについた解説ラベルの多さにびっくり。「雑草という草はない」という牧野博士の名言通り、全てに解説がある。記念館の中庭外部デッキは高知県産の桧を使用されていて、木のぬくもりがいい。
普通は入ることのできない標本室に案内され、作業の様子や標本棚などを見学でき貴重な経験をした。初めて見る鮮やかな黄のジョウロウホトトギスに目を奪われ、回廊を進み薬草区へ。園長さんにオケラ、シャクヤク、リンドウ、サンシュユなどについて解説いただき、興味津々で学んだ。昼食、外デッキでのハーブランチボックスはおいしかった。午後は自由散策。順路案内に従い南園へ。そこでは貴重な旅する蝶、アサギマダラを見ることができた。台湾まで旅するという蝶。回りきれないほど広い敷地の植物群を満喫できた。
2日目。農園マルシェやまみずきを見学。
「おいしく安心かつ自然環境を壊さない食づくり」に取り組んでいる農園。四万十川の河口に位置していて、テラスからの四万十川と太平洋が出会う景観は最高だった。自然栽培の農園に案内され、生姜の収穫体験。生姜の根が切れないようにして掘り起こした。とても楽しい体験だった。その後、薬膳の講座、薬膳ランチ、香の講座と充実の1日だった。
3日目。四万十川の屋形船遊覧。
この日も最高のお天気。屋形船に乗り、ゆったりとした四万十川を楽しんだ。川の蛇行に沿って船は進み、美里沈下橋と佐田沈下橋の2つの沈下橋を潜り抜けた。沈下橋とは、欄干も何もない橋のことで、増水時に川の下に沈んでしまう橋。増水時、水面に沈んでしまうことで橋の崩壊をまのがれるためと教えていただいた。船からの沈下橋と大自然の景色は素晴らしく、ドラマや映画のシーンに使われるのも頷けた。
昼食後、いの町紙の博物館での紙漉き体験。術指導員の手ほどきを受け、思い思いに花や葉をのせ、乾燥時間を含め1時間ほどで完成。皆、自分の作品に満足。
最後の見学、まるふく農園。ハーブ一筋に取り組まれてれてきた楠瀬さんに解説をいただきながらハウスの中を見学。自然の力に委ねた炭素循環農法の考え方を基に 農薬も肥料も使わず、元気なハーブを育てていると。バジル、タイム、イタリアンパセリから珍しいものまで、幅広く栽培。我らが熱心に聞くので、自然農法で取り組まれている畑まで案内していただいた。ハーブの心地よい香りの中でいただいたハーブティーとハーブクッキーは幸せ気分にしてくれた。
参加者の皆様、JAMHAのスタッフの皆さま、ありがとうございました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第63号 2023年4月