2023.6.1

AIの時代のメディカルハーブ

林真一郎

皆さん、こんにちは。今回は最近、話題になっているチャットGPTについて取り上げたいと思います。チャットGPTはユーザーが入力した質問に対してまるで人間のように自然な対話形式でAIが答えるチャットサービスです。とても便利なサービスである一方で誤った情報や偽情報が拡散する恐れがあり、さらには安易な活用を戒めるためレポートや学位論文等の作成での使用を禁止する大学も現れて論議を呼んでいます。

そこで早速、チャットGPTに実際に質問してみました。「インフルエンザの予防に使うにはどのハーブがよいですか?」への回答は「エキナセア、ガムノツツジ、シシウド、グリチルリチン酸」でした。ちょっと微妙ですね…(笑)。次に「医薬品とハーブの作用にはどのような違いがありますか?」に対しては「医薬品には1つまたは複数の化学物質が含まれており、特定の病気や症状に対して明確に定められた効果を発揮することが期待されています。一方、ハーブは複数の化合物が含まれており、様々な健康上の効果があるとされていますが効果は比較的弱く、目的によって異なります」との回答でした。なかなか的を射ていますね。

新しいテクノロジーに対しては当初は必ず危険性が指摘されますが、やがて社会に受け入れられることになります。メディカルハーブを学ぶ私たちもAIの時代を迎えて情報機器やサービスを賢く使いこなしていきたいと思います。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第64号 2023年6月