関西地区イベント報告 【南高梅発祥の地】和歌山みなべ町で梅を満喫バスツアー
日程:2023年2月14日〜15日 会場:和歌山みなべ町
「たかだ果園」さんの梅干し作りの様子
このツアーのことを知ったのは、申込〆切まであと1週間もないぐらいの時でした。取り急ぎ担当の旅行会社さんに直接電話をしたのですが、その時に聞いた柔らかい関西弁(和歌山弁?)にすっかり心をつかまれ、思えばその時から私の南紀ツアーは始まっていました。
1日目はまず、有機農法で栽培した梅から梅干しを作っていらっしゃる「たかだ果園」さんを訪問、見渡す限りの梅林と樹齢128年の母樹の梅を見学しました。この1本の樹から現在の南高梅が始まり、そして今も健在であることに感動でした。
代表の高田さんはじめスタッフの方々の温かいおもてなしがありがたく、花見弁当、そして白干しの梅の皮の柔らかさ・おいしさを堪能しました。
そのあと宿泊ホテルでは、高田さんご指導のもと、白干しの梅と赤しそを交互に重ねていくしそ梅作り体験、みなべ町うめ課長さんからはみなべ町のうめ振興の取組みに関してセミナーがありました。
役場の中に「うめ課」があること自体が驚きですが、「みなべ・田辺の梅システム」はなんと世界農業遺産に登録されているとのこと、紀州備長炭を作るウバメガシなどの林を残しつつ、斜面に梅林を配置し、受粉にニホンミツバチを利用するなど、持続可能な農業システムが評価されています。
2日目は、道の駅みなべうめ振興館を訪問、梅染愛好家の方々に教えていただき、梅染体験をしました。梅の古木のチップから煮出された染液と地下水を使い、媒染液として備長炭を作る際にできる副産物「木酢液」を使っているとのことでしたが、スモークピンクのなんとも愛らしいハンカチが完成し、あちこちで歓声が上がっていました。
梅染体験ではスモークピンクのハンカチ作り
その後、オーシャンビューのイタリアンレストランでハーブを使ったランチをいただき、続いて「南方熊楠記念館」へ。知の巨人といわれた博物学者・南方熊楠の、明治という時代に海外まで行って勉強した、すさまじいまでの探求心や数奇な人生を、彼が残した膨大な資料と館長さんの丁寧な説明と共に学ばせていただきました。また番所山フィールドワークでは、沖縄のハーブ・ゲットウが大きく育ち、花が種になっているのを発見して驚きました。
この2日間のバスツアーでは、南紀・みなべ町の人々がなくてはならない梅と共に、健康で心豊かに暮らしている様子を目の当たりにし、またぜひ訪問したいと思いました。梅干しの効能も新たに確認でき、その後毎日食べています。
バスで移動中や夕食後、ツアー中どこででも、木村正典理事がいろいろなお話をしてくださったり質問に答えてくださいましたし、盛りだくさんの内容すべて、とても楽しかったです。スタッフの方々にも大変お世話になりました。感謝です。ありがとうございました。
たかだ果園(6月頃)
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第64号 2023年6月