アダプトゲンで心と体をリセット!:クラフトコーラ
Herb Conditioning
ハーブのドリンクの新提案、アレンジ自在の自家製コーラ
ハーブの成分をアルコールに抽出したものをチンキといいます。水溶性と脂溶性の両方の成分が溶け出しているためハーブティーよりも多様な成分を含み、保存性が高いのが特徴です。
チンキは希釈して使いますが、アルコールで成分を抽出するという意味では、梅酒や高麗人参酒などもチンキの一種。植物の成分を効果的に摂る方法を、昔から人々は知っていたのです。
ハーブを活用したノンアルコールのドリンクなら、自家製コーラに挑戦してみてはいかがでしょう。今は清涼飲料水のイメージのあるコーラですが、もともと薬剤師によって薬として作られていたそう。
基本の作り方で試したら、ハーブの配合を変えたり、かんきつ類や砂糖の種類を変えたりして自由にアレンジを楽しんでください。
クラフトコーラ、ハーブが香り立つ自家製コーラ
< 用意するもの >
〔用具〕
小鍋
ゴムベラ
保存容器(ガラス瓶など)
グラス
〔ドライハーブ〕
シナモンスティック 2本(2つに折る)
カルダモン 8粒(さやを割る)
八角(スターアニス) 2個
黒コショウ 20粒
ホーリーバジル 小さじ1
オタネニンジン 小さじ1
しょうが 1かけ(皮ごとスライスする)
レモン 1個(皮ごと5㎜幅の輪切りにする)
砂糖 200g
水 200mL
炭酸水 適量
< 作り方 >
- 鍋に炭酸水以外の材料をすべて入れて中火にかけ、ゴムベラなどでかき混ぜながら砂糖を溶かす。
- 煮立ったら弱火にし、10分ほど煮る。
- 火を止めて保存容器に移し、冷めたらふたをして冷蔵庫に入れる。半日ほど置けば、クラフトコーラの原液のでき上がり。
- グラスなどに3を茶こしなどでこしながら適量注ぎ、4~5倍の炭酸水で割る。マドラーなどでよくかき混ぜていただく。
POINT
煮出してからすぐに飲むこともできますが、半日ほど置くと味がなじみ、ハーブの香りが引き立ちます。
炭酸水で割る以外に、かき氷やヨーグルト、アイスクリームなどにかけたり、好みのお酒に少し加えたりしても楽しめます。
アダプトゲンを活用して疲労やストレスをためない工夫を
やる気が出ない、何となくだるい、体が重い……。疲労やストレスがたまると、体がつらいだけでなく、気分まで鬱々として、考え方も後ろ向きになりがち。そんな時は、無理に力を絞り出そうとせず、まずはしっかり休息をとることが大切です。併せて、ストレスを軽減して全身の調子を整えてくれるアダプトゲンをとり入れてみましょう。
エゾウコギは、シベリアニンジンとも呼ばれ、中国では古くから「気」を養う薬用植物として利用されてきました。オタネニンジンは、朝鮮人参、高麗人参の名で知られ、活力をアップしたい人に人気のハーブです。どちらもドライハーブが入手しやすいので、アルコールに漬け込んでチンキを作っておけば、化粧水に、飲用に、うがいにと、いろいろな用途に活用できます。
アダプトゲンの中でも、最も身近なものの1つが、タイ料理のガパオなどによく使われているホーリーバジル。アーユルヴェーダではトゥルシーと呼ばれ、最高ランクの薬草に位置づけられています。スイートバジルに比べスパイシーな香りで、加熱しても風味が飛びにくいことから、ハーブティーや炒め物、揚げ物などに重宝します。
アダプトゲンに分類されるハーブは、体内のエネルギー代謝を高めて疲労の回復を早める作用があります。上手に活用して、疲れをためない工夫をしましょう。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第65号 2023年9月