2023.10.9

植物園めぐり:500種類の“生きた教材”を集積、東邦大学薬学部付属薬用植物園(千葉県船橋市)

夏の暑さがようやく和らぎ、植物が美しく色づき始める秋がやってきました。新たな季節の到来を感じに、植物園に出かけてみてはいかがでしょうか。

500種類の“生きた教材”を集積

東邦大学の薬学部に付属する薬用植物園は千葉県船橋市にあります。2022年春にリニューアル工事が終了し、4,500㎡ある園内には、なじみの深い薬草から珍しいものまで約500種類が栽培され、学生たちの学びの場となっています。

設立は1929年。帝国女子医学専門学校(東邦大学の前身)に薬学科が増設された2年後に、現在医学部のある東京都大田区の学外の約500坪の敷地に設立されました。1962年に薬学科の習志野キャンパスへの移転と共に移り、現在に至ります。

習志野キャンパスの校門から見える南園や温室の他、北園、ハーブ園、薬木園に分かれています。

エリア紹介

ハーブ園

ヨーロッパで使用される主なハーブ類をはじめ、染料や香料原料植物を植栽。

18種類のミントを植栽

ミントは種類別に18種あり、香りや形の違いがよくわかるように植えられています。隣接する松林のわきにはラベンダーが植えられ、満開の時期には目をひきます。

コモンマロウ
アーティチョーク
エキナセア

北園

民間薬を中心とした生薬の基原植物をはじめ、貴重な植物も植栽されています。

船橋市の花であるカザグルマや、シンボルツリーのヒマラヤスギの木陰には陰性植物を見ることができます。ガーデン側では初夏に2本のティーツリーが花をつけます。

ティーツリー

南園

2022年リニューアルオープン。モニュメント広場の左手に広がり、5月には満開のボタン、シャクヤクが出迎えてくれます。

日本薬局方に収載されている生薬が中心で、温室では熱帯、温帯の薬用植物、ハーブ、スパイス、香料植物を見ることができます。

ボタン

薬木園

薬木を中心に有用植物を植栽しており、昆虫や鳥などがたくさん生息しています。

冬はクリスマスローズ、春はフクジュソウ、初夏にはカギカズラが、そして秋には木道の両脇にヒガンバナが満開になります。

ヒガンバナ

Information

東邦大学薬学部付属薬用植物園

住  所 : 〒274-8510 千葉県船橋市三山2−2−1
T E L : 047-472-1349
休 園 日 : 土・日・祝祭日・年1回の構内一斉点検日、各種試験日、学校行事のある日
開園時間 :平日9時30分~16時

*見学のみ
[入園方法]守衛室でご記名の上、ご自由にご覧ください。
[人数]特に制限はありません。

*説明を希望の団体見学
[入園方法]ホームページ内 団体見学申し込みフォームからお申し込みください。
[人数]1回の見学につき、1グループ8名以上~20名まで。 それ以上の場合は要相談。

※詳細はホームページ
https://www.lab.toho-u.ac.jp/phar/yakusou のご利用案内をご確認ください。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第65号 2023年9月