2024.1.31

「池兄と巡る、自生する日本のハーブ探索会」高尾山編 イベントレポート

ハーバルセラピスト

星瑛梨奈

日程:2023年11月15日(水)【薬用植物観察ツアー in 東京】高尾山編

11月の中旬。冬の走り感じさせるような肌寒さを感じる中、薬用植物観察ツアーin高尾山に参加してきました。今回は池兄こと池村国弘先生のアテンドで巡ります。紅葉のベストシーズンということもあり、登山道には紅葉目当ての方がたくさん訪れていました。今回のコースは、ケーブルカーから4号路〜いろはの森〜頂上。下りは、富士みち〜1号路〜ケーブルカーの行程。秋の高尾山でクロモジ、アブラチャン、カヤ、リュウノウギク、ミヤマシキミ、タカオヒゴタイ、コウヤボウキ、リンドウ、センブリをメインで観察します。

高尾山の登山道にはクロモジが多くありますが初見では全く見分けが付かず。道中池村先生が一瞬で他の木とクロモジを見分けておられてさすがの観察眼に感動でした。秋の観察会ということもあり、高尾山には実りはじめた木々があちらこちらに見られました。ミヤマシキミ、シロダモの赤い実。ムラサキシキブやヤブムラサキ、ノササゲの紫色。観察会の途中ではシロダモの葉を木村先生がご持参されていたルーペをお借りして、肉眼では見えないキラキラと輝く葉の精油を観察することができました。

甘い香りのコウヤノボウキ、スーとする香りのリュウノウギクなど、普段では通り過ぎてしまう植物にも立ち止まってその植物の形状、香りを近くで観察してみると植物ごとに実のつき方や歯の切れ込みや厚さなど、わずかに違いがあり今まで見えていなかった見分けるポイントを、実物を見ながら勉強できたのはとても新鮮で楽しい時間でした。また、池村先生には見分けのポイントだけではなく植物の名前の由来などの知識も観察会の間に教えていただくことができて、数メートルごとに歩いては新しい発見と知識を得られた学びの深い観察会でした。

観察会の途中には「美人ブナ」にも立ち寄りました。ブナの周囲に落ちていた種を観察している際に「近年は高尾山も亜熱帯気候になりつつあり、高い気温には適応できずこれから落ちるブナの種が芽生えることがない」とお話がありました。環境が変化すれば植物も生育環境が気候変動による植生の変化を肌で感じる瞬間でした。

高尾山は何度か訪れたことのある見知った山のつもりでいましたが、今回の観察会では知らなかった植物を知ることができ、まるで知らない山に登っているような新鮮な気持ちになりました。6時間ほどの行程でしたがほんとうにあっという間で、また自分が高尾山に訪れた際には今回学んだ植物たちの季節ごとに姿形がどう変わっていくのか、また観察しに行ってみたいと思います。

最後に、たくさんの質問や疑問に丁寧お答えいただいた池村先生、そしてJAMHAスタッフの皆さま、共に知識を深め合った観察会の参加者さま、ありがとうございました。