植物園めぐり:夢の島熱帯植物館 ドーム内に900種類を超える熱帯植物を育成
肌寒い冬や雨の日も快適な温室。ぬくぬくとした空間で縮こまった体をほぐし、しばし南国気分を愉しみに出かけませんか。
ドーム内に900種類を超える熱帯植物を育成
1978年に東京都江東区にオープンした「夢の島公園」は東京湾を埋めてつくられた人工島。かつてはゴミの埋め立て処分場でした。それから10年後の1988年、熱帯植物と私たちの暮らしとのかかわりを広く紹介するために「夢の島熱帯植物館」が開設されました。
熱帯雨林をモデルにした1,500平方メートルの大温室には約900種類の植物が生い茂っています。大温室の暖房や館内の冷暖房、給湯などに必要なエネルギーは、すべて隣接する新江東清掃工場から送られてくる高温水でまかなわれています。
エリア紹介
< 大温室 >
新木場駅から徒歩約15分。夢の島熱帯植物館の館内は3つのエリアで構成される大温室の他、喫茶室、売店や映像ホールなど学べる施設がある。写真は大温室Aドームの様子。
Aドーム:水辺の植物
熱帯の水辺に生息する植物を観察できるエリアで、熱帯の水辺の景観が再現されています。
滝の流れ落ちる池には熱帯性スイレンの花が咲き、木生シダのヒカゲヘゴが葉を広げます。
また、熱帯の河口に生息するマングローブを観ることも。
Bドーム:果実のなる植物
ココヤシやバナナ、カカオなど私たちの生活にもかかわりの深い熱帯植物を観察することができます。
ヤシがうっそうと生えるその中にヤシの葉で屋根を葺いた「熱帯の家」があり、家の周りにはヒスイカズラやトーチジンジャーなどの珍しい花が咲いています。
Cドーム:小笠原諸島の希少な固有種
世界自然遺産に登録された小笠原諸島の植物が生育されています。
生息する生物は独自の進化を遂げた「固有種」が多く、その中には、絶滅危惧種も多く存在しています。
ハーブ園
食用や薬用、香辛料として利用される様々なハーブを生育しています。隣接する熱帯畑では、夏にジャガイモやワタなどの熱帯原産の作物も育てています。
オーストラリア庭園
オーストラリアは変化に富んだ気候と広大な自然の中に、ユニークな形状をした植物が多く生息しています。庭園からはオーストラリア原産のユーカリが林立する景観を楽しめます。
Information
東京都夢の島熱帯植物館
住所 : 〒136-0081 東京都江東区夢の島2-1-2
TEL : 03-3522-0281
休園日 : 月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日〜1月3日
開園時間 : 9時30分~17時00分(入館は16時まで)
入場料 : 一般250円、65歳以上(要身分証)120円、中学生(都外)100円、中学生(都内)無料、小学生以下無料
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第66号 2023年12月