2024.6.11

関東地区イベント報告 ハーブを育てて、活かして、美味しくいただく講座イベント

日程:2024年3月30日(土) 会場:gicca 池田山)
ハーバルセラピスト 蠣崎博美

日頃からハーブティーを飲んだり、お料理に加えて味の変化を楽しんだり、私にとってハーブを育てることは大切な日課の一つとなっています。今回の講座のタイトルに惹かれ、多くの方から注目されていたようで、早くからキャンセル待ちとなり、運よく参加することができました。

会場は、新鮮な旬の食材を使ったお料理で温かく迎え入れてくださるお洒落な“gicca 池田山”さん。25名ほどの参加者が登場を心待ちにしていたのは、“うえのはらハーブガーデン”の農場長の長田恵美子さんです。農業で培ってきたハーブの育て方や活用法などハーブの魅力をお話して頂き、ハーブガーデンで育ったハーブを使ったランチ、ハーブティー、デザートが頂けるとても贅沢な講座です。明るく溌溂とした印象の長田さんは、「ハーブを暮らしの中に取り入れましょう」と、ハーブの魅力について興味深いお話をしてくださいました。

まず、ハーブガーデンで大切に育てられているカモミールについて、カモミールティーをはじめ、リラックス効果、不眠やストレスの緩和に役立つとされる人気のハーブ。ちょうど春の気温が安定するこれからの季節、カモミールの種まきに適しており、畑やプランターにばらまきで行います。ただし、カモミールの種はとても小さいので、まいた後は、軽く土をかけて、種が飛ばされないように注意が必要です。土が乾かないように水を与えて、発芽後は、苗の間隔を持たせ間引きすることで、成長を促します。 

カモミール

その他、お奨めのハーブとして、バジルは、強い抗酸化作用があり、体をストレスから守り、健胃作用や鎮静効果も期待できます。レモングラスは、カリウム、カルシウム、鉄分などの栄養素を含み、消化促進、リフレッシュ、抗菌殺菌作用にも。ローズマリーは、老化の元となる活性酸素を除去する成分を多く含み、強力な抗菌、抗酸化作用にも。ラベンダーは、リラックスの代表的なハーブで、安眠や抗菌作用にも。これらハーブの期待できる効果や育てるポイントを判りやすく丁寧に説明して頂きました。

バジル
ローズマリー
ラベンダー

また味と香りのハーブサラダでは、ルッコラやマスタード系の葉野菜について。イソチオシアネート類と呼ばれるフィトケミカルを含んでいることで、食中毒やストレスから体を守ると言われています。苦味がしっかりある葉野菜を食べることで、日中のイライラや疲れ、ストレスなどの気持ちを助けたり、豊富に含まれる食物繊維は体の老廃物のデトックス効果にも期待できます。また生で食べることでミネラルや酵素を丸ごと摂取できるので、積極的に食したいハーブです。

座学講座の後は、楽しいランチ&デザートタイムです。今回のランチメニューは、ブーケサラダ、あさりのパスタ。

まるでブーケを思わせる色とりどりのハーブやお野菜たち。ルッコラ、イタリアンパセリ、ワサビ菜、グリーンフリルなどの新鮮ハーブに、お野菜は人参、ブロッコリー、オーツ麦、トマト、紅芯大根、生ハムなどのサラダの華やかさに食欲をそそられます。オリーブオイル、ビネガー、玉ねぎ、ソルトを加えた自家製ドレッシングは、ハーブ、野菜の新鮮な風味の引き立て役に。ハーブのシャキシャキとしたフレッシュでみずみずしくほろ苦い美味しさです。食事の後のデザートは、カモミール入りのパウンドケーキと“うえのはらハーブガーデン”で育てられたカモミールのハーブティーです。摘みたてのフレッシュのカモミールティーは、りんごを思わせる甘くやさしい香りに、ホッとした気持ちにさせてくれます。

ランチ後の後は、質疑応答の他、農作物の表示法など安全性について。有機農産物や有機農産物加工食品に有機、オーガニックを表示して日本国内で販売するためには、当該食品に有機JASマークを添付する必要があります。生産において厳しい基準をクリアしていることで、安心と信頼に繋がります。食の安心、安全性の関心度はこれまで以上に高まっている中で、長田さんが拘り続けている消費者の立場で野菜を作り続け、顔の見える関係で直接流通をしているからこそ、多くの有名ホテルやレストランから長田さんのハーブが支持されていることは言うまでもありません。

現在、私のベランダと部屋の中で、さまざまなハーブ(ナスタチウム、パッションフルーツなど)を育てています。こちらは、一番元気に育っている左からレモンバーム、スペアミント、ペパーミントです。 レモンバームについては、昨年からの冬の間も枯れることなく、生命力の強さを改めて感じます。

さまざまなハーブを育て続けながら、これまで以上に暮らしの中に活かしたいと思います。楽しい講座をありがとうございました。