2024.6.12

学術委員会報告 第8回学術フォーラム「ライフスタイルが病気をもたらしライフスタイルが病気を治す」

日程:2024年2月4日(日)
オンライン開催
理事・学術委員 関野朋子

2024年2月4日(日)、第8回学術フォーラムがオンラインで開催され、「ライフスタイルが病気をもたらし ライフスタイルが病気を治す」というテーマで、お二人の先生方にご講演いただきました。

「ハイビスカスティの摂取によるデジタルデバイス使用後の眼疲労緩和効果の検証」
広田雅和先生 帝京大学

近年、スマートフォンなどの普及に伴い、眼疲労に悩まされる人が激増しています。“目の疲れによいメディカルハーブ”として広く知られているハイビスカス(ローゼル)の眼疲労への医学的効果は、どのよう検証されるのでしょうか。
医療技術学部 視能力学科講師の広田先生から、デジタルデバイスの弊害である眼疲労のメカニズムと、その評価方法について、詳しく解説していただきました。様々な測定、データ解析、検証試験を経て、ハイビスカスティの摂取は融像維持能力を有意に改善し、眼疲労の症状を短時間で緩和し眼精疲労への移行を予防できる可能性がある、という検証がなされました。本研究は、当協会の研究助成制度により実施されました。

「縁起の視座:病気を軽快させるヒントは生活の中にある」
佐古田三郎先生 医療法人篤友会オーガニッククリニック院長

現代医学では科学的根拠EBMに基づく標準化医療が行われていますが、病気そのものが複雑化する中で、佐古田先生は、「患者はみな例外」という視点で治療に臨まれています。仏教用語の「縁起」とは、すべては相互に関係し合って成立し、原因も結果も始まりも終わりもないことを意味します。縁起の視座に立てば、治す対象は病気ではなく患者さんであることが見えてきます。
この視点から、いくつかの病名が合わさった複雑な症例に対する具体的なアプローチを解説していただきました。とくに、体内時計をリセットする光治療については大変興味深く、「まず薬というのではなく、睡眠・食事・運動などのライフスタイルを見直すこと」というお話が印象的でした。

パネルディスカッションでは、当協会理事長の林真一郎と学術委員長の村上志緒を交えて、より深く踏み込んだ意見交換が行われました。
フォーラム後のアンケートでは「佐古田先生のお話をもっと聞きたい」というご意見が寄せられました。