2024.9.9

2024年10月27日 第26回シンポジウム「CBDってナニ?~メディカルハーブとしてのヘンプ~」

当協会活動の一環であるシンポジウムは、本年で第26回目の開催を迎えます。
今回は、近年話題になりつつも知識が普及していないCBD(カンナビジオール)をテーマに、その安全性や活用事例、また、麻にまつわる民俗学や植物学、ヘンプの生活利用といった観点で、各分野の専門の先生方にご講演をいただきます。
「CBDが話題になっているのは知っているけど、詳しくはよく知らない」という初心者の方にも分かりやすい、まさに“まるわかりセミナー”です。
オンライン配信のため、ご自宅からご参加いただけます。

※当シンポジウムは、(一社)日本臨床栄養協会 NR・サプリメントアドバイザー更新単位【5単位】付与の単位認定講座となっております。ご希望の方は、日本臨床栄養協会側で単位認定を行いますので、イベント終了後、アンケートの所定の質問欄へのご回答入力をお願い致します。

概要

【日時】2024年10月27日(日) 10:50~16:10(予定)
【参加費】会員:1,650円/一般:3,300円(税込)
【実施方法】オンラインによるウェビナー形式 ※後日1か月のアーカイブ配信あり
【申込締切】2024年10月22日(火)17:00

プログラム

【第一部】「大麻という農作物 ―民俗学における麻と大麻―」:高安 淳一 氏
【第二部】「ヘンプを日々の美容と健康に」:手島 佐枝子 氏
【第三部】「CBDの安全性と可能性・日本における法規制と活用の実際」:正高 佑志 氏
【第四部】「メディカルハーブにおけるCBDの活用と可能性」:林 真一郎 氏

講師プロフィール

講師:高安 淳一 氏(大麻博物館 館長)

●SUMMARY
「え、大麻?」「大丈夫なの?」
2001年、栃木県の那須高原に、大麻博物館という私設の小さな博物館をオープンしてから20年が経過しましたが、ずっとそのように言われ続けてきました。
 大麻は、栃木が、そして日本が誇るべき「農作物」です。かつての日本人が、衣食住の様々な場面で利用してきた「有用な資源」として、また「日本人のアイデンティティーと深いつながりを持つ植物」として、いまあらためて「なぜそこに大麻が使われていたのか」 歴史・民間伝承・植物学の見地からスポットを当てられればと考えています。
 しかし現在、日本の大麻を知るうえで言葉の問題が大きな障害になっています。
 広辞苑(第5版)によると、「大麻」は「麻の別称」と定義されています。かつての日本において「麻」という言葉は、「大麻」を直接指しており、「日本人の営みを支えてきた農作物」のことです。古い文献の中で「麻」と書かれているものは、もちろん「大麻」を意味します。
昔からある「麻」が「大麻」であると認識し、なぜそこに大麻を用いるのか、なぜ他の素材ではないのか考察し、昔の人々の祈りや願いに耳を傾け、次世代に繋ぐことを目指しています。

●PROFILE
日本人の衣食住を支えてきた「農作物としての大麻」に関する私設の小さな博物館。2001年栃木県那須に開館し、2020年一般社団法人化。資料や遺物の収集、様々な形での情報発信を行うほか、各地で講演、麻糸産み後継者養成講座などのワークショップを開催している。著作に「日本人のための大麻の教科書」(イーストプレス)「大麻という農作物 日本人の営みを支えてきた植物とその危機」「麻の葉模様 なぜ、このデザインは、八〇〇年もの間、日本人の感性に訴え続けているのか?」。日本民俗学会員。
https://twitter.com/taimahak
https://www.facebook.com/taimamuseum/
https://www.instagram.com/taima_cannabis_museum

講師:手島 佐枝子 氏(Aromatic Phytotherapy Frangipani主宰)

●PROFILE
AEAJ認定アロマセラピスト、アロマテラピーインストラクター
日本大学農獣医学部農芸化学科(現 生物資源科学部生命科学科)を卒業後、ハーブ専門店勤務を経てアロマテラピースクール併設のアロマテラピーサロンにセラピスト兼インストラクターとして勤務。2002年10月から“Aromatic Phytotherapy Frangipani”を拠点に個人で活動を開始。自身のサロンを中心に、AEAJの認定校をはじめ、企業や病院、NGO団体などでのアロマテラピーの教育や普及にも携わる。
現在はサロンワークと自然療法に用いられる素材類の性質や特徴の探求、乳香や没薬などの植物樹脂の活用や応用に関心を持ち、模索しながらその分野でのセミナーやワークショップも開催している。著書『自然素材で作る ナチュラルスキンケア』(東京堂出版)

講師:正高 佑志 氏(一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会 副理事長)

●SUMMARY
カンナビジオール(CBD)は大麻草に含有される非精神活性成分であり、難治てんかんに対する処方箋医薬品として日本国内で治験が実施されている。また同時に、抗炎症作用や抗不安作用、睡眠改善作用を有するサプリメントとして、食品・雑貨・化粧品などの様々な形態で広く流通している。2023年末には大麻取締法改正が行われたことで、医薬品としての正当性が確認されると同時に、サプリメント市場における立ち位置も明確なものとなることが期待されている。本講演ではCBDならびにその他のカンナビノイドの安全性、用途、国内の法規制と実際の活用例などについてエビデンスをベースに概観する。

●PROFILE
1985年京都府生まれ。熊本大学医学部医学科卒。日本臨床カンナビノイド学会副理事長。一般社団法人GREEN ZONE JAPAN代表理事として、大麻草の安全性や有用性に関する啓発活動に従事している。難治てんかん患者へのCBDの有効性に関する追跡調査と学術報告を行い、大麻取締法改正への道筋をつけることに貢献した。著書に“お医者さんがする大麻とCBDの話(彩図社)”、“CBDの教科書(ビオマガジン)”がある。

講師:林 真一郎 氏(当協会理事長・グリーンフラスコ株式会社代表)

●SUMMARY
メディカルハーブを学ぶ者にとって師であるアンドルー・ワイル博士は数十年前から医療大麻の有効性や安全性を一貫して主張し、米国の統合医療では緩和ケア領域などで医療大麻が積極的に活用されています。その一方、わが国では昨年末に戦後につくられた大麻取締法が75年ぶりにようやく改正され、今後は医療大麻や産業用大麻への取り組みが本格化するものと思われます。『だめ!ゼッタイ』という謎の色メガネをはずし、科学的根拠に基づいて大麻草Cannabis sativaという可能性に満ちたメディカルハーブに積極的に取り組んでいきたいと思います。そこで今回の講演ではCBDという成分だけではなく大麻草に含まれる精油や油脂、ポリフェノールなどの多様なフィトケミカル成分の機能性を解説します。次にCBDと鎮静・鎮痙作用をもつ向精神性ハーブとの併用を提案します。さらにはCBDと精油の相乗効果を狙った製剤などについても検討したいと思います。

●PROFILE
東邦大学薬学部客員講師 日本赤十字看護大学大学院非常勤講師 静岡県立大学大学院非常勤講師 日本アロマセラピー学会理事 日本ホリスティック医学協会理事
著書 『臨床で活かせるアロマ&ハーブ療法(南山堂)』『ファーマシューティカルアロマセラピー&メディカルハーブ(南山堂)』『メディカルハーブの事典(東京堂出版)』『高齢者介護に役立つハーブとアロマ(東京堂出版)』他多数

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