2025.2.4

かぜをひかない、長引かせない

冬の体調管理のポイントは、免疫力アップ!

かぜをひかない、長引かせない

寒さが厳しくなるこれからの季節は、かぜやインフルエンザの流行シーズン。
ひと冬に何度もかぜをひくという人は、免疫力が落ちているのかも知れません。
かぜをひいた時のホームケアや予防のポイントを押さえて賢く対処しましょう。

かぜとは鼻やのどなどの上気道に炎症を起こす病気

 かぜは鼻、のど、気管支など上気道に急性の炎症を起こす感染症の総称で、正式には「かぜ症候群」と呼ばれます。インフルエンザもかぜ症候群の一種ですが、一般的なかぜと比べて症状が激しく、流行規模が大きいことから別格に扱われています。

 かぜのほとんどはウイルス感染が原因で起こります。かぜの原因となるウイルスの数は200種類以上といわれ、主なものにライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスなどがあります。同じウイルスでもいくつもの型があり、それらが年々変異(遺伝子の変化)を繰り返すため、毎年のようにかぜをひく人や、何度もインフルエンザにかかってしまう人もいます。

 冬にかぜをひく人が増えるのは、ウイルスに乾燥・寒冷の環境を好むものが多いためですが、冬は寒さや空気の乾燥で鼻やのどの防御機能が低下しやすいことも影響します。

かぜで起こる症状は免疫が働いているサイン

かぜでは、のどの痛みや腫れ、鼻水、咳、痰など、鼻やのどを中心に症状が起こり、発熱、、頭痛、倦怠感、吐き気、下痢などの全身症状を伴うこともあります。

 インフルエンザの場合は、かぜより症状が重いことが多く、38℃を越す高熱や関節痛、筋肉痛も現れます。肺炎や脳炎などの合併症も起こしやすくなります

 これらはいずれも、体にとって異物であるウイルスを排出しようとする防御反応です。発熱や悪寒も、体温を上げてウイルスに対抗しようとする反応。かぜの症状は、体の中で異変が起こっていることを告げるメッセージであると同時に、免疫が活発に働いて体を守っているサインともいえます。

初期にきちんと対処しないとかぜをこじらせることに

 かぜは軽く考えられがちですが、ひき始めにきちんと対処しないと、こじらせてしまうことになります。かぜをひいて体力を消耗すると、抵抗力が落ちて別のウイルスに感染しやすくなり、ワンシーズンに何度も繰り返しひいたりすることもあります。

 また、かぜで弱った気道粘膜に細菌が感染し、中耳炎や副鼻腔炎、肺炎などの合併症を招くこともあります。これを「二次感染」と呼び、小さな子どもや高齢者、持病のある人などは重症化しやすいので特に注意が必要です。かぜと似た症状の病気は数多くあるため、かぜと思い込んで放置し、重大な病気を見逃してしまうケースもあります。「ただのかぜぐらいで」といった軽視は禁物です。

かぜ症候群の比較

女性に多い片頭痛


かぜに伴う頭痛は一時的なものですが、片頭痛の場合、ズキンズキンと脈を打つような痛みを慢性的に繰り返します。吐き気や嘔吐が生じたり、光や音、においなどに敏感な状態を伴ったりするケースもあります。片頭痛が女性に多くみられるのは、女性ホルモンとも深いかかわりがあるため。その他、代表的な慢性頭痛には、頭、肩、首の筋肉の緊張やストレスなどによって頭を締めつけられるような痛みが生じる「緊張型頭痛」や、片側の目の奥がえぐられるような強烈な痛みを生じる「群発頭痛」などがあります。頭痛の症状が続く場合は、医療機関を受診しましょう。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第70号 2024年12月