2012.4.10
ビタミンEの酸化防止効果について
Q:ビタミンEには、α、β、γおよびδ型の4種類があると言われておりますが、それらの生物活性および酸化防止効果の強さは異なるのでしょうか?
A:
トコフェロールにはα、β、γ、δ型の4種類の同族体があり、ビタミンEとしての生物活性はα型>β型>γ型>δ型の順でその比は【100:40:10:1】(5訂日本食品標準成分表)とされています。ただし油脂の酸化防止効果は、生物活性の強さとは逆の順序で、α型<β型<γ型<δ型(「ビタミンE」福場博保、朝倉書店、1973)となります。
また、ビタミンEの抗酸化効果といった記載も良く見られると思いますが、基本的には抗酸化効果と酸化防止効果は同義語ですが、抗酸化効果は、生体内における酸化物質等の活性を消去して生体を正常化する作用を示します。酸化防止効果は、加工食品等が酸化変敗しないように食品中の成分が酸化されるのを防いで品質を正常に保持する作用を示します。
生物活性は、ビタミンE欠乏動物の欠乏状態を回復するための必要最少量で、抗不妊活性、抗筋委縮活性、抗溶血活性等で測定して求めています。したがって、必ずしも抗酸化作用から生物活性を算出している訳ではありません。