佐藤薬品工業 和漢研究所が育てた大和生薬
日程:2024年11月6日(水)
会場:佐藤薬品工業 和漢研究所
ハーブ&ライフコーディネーター・メディカルハーブコーディネーター 杉野直起
少年時代に祖母のお灸治療を度々受けていたからか東洋医療はいつも身近に感じていました。ツボや経路の話や戦争中に薬草で病気やケガを治療した体験などをいつも聞かされていました。食品関係の会社で40年間働けたのも医食同源の考え方を持っていたからだと思っています。ちなみに卑近な話ですが娘は薬剤師になり最近では私の常備薬を厳しくチェックしてきます(笑)
このたびのイベントに参加できたのは自由な時間ができたことと14年住んでいた関西に愛着を感じていたからです。また何よりもコロナ禍の4年間ほぼ毎日生姜とニンニクを食べたおかげで健康で乗り切れたこと、そして偉大な自然への感謝の気持ちからです。
東京から前泊をして当日は晴天。橿原神宮駅からバスで約10分、遠くに大和葛城山を望む2万坪に及ぶ広大な敷地の中に佐藤薬品工業はありました。最新で静かな工場棟、そして良く整備された野球グラウンド!!様々な薬草が栽培されている見渡す限りの畑。気の良い場所と明るく澄んだ空気に始まる前から感動をしました。
最初に当日ご指導をいただいた岡田先生から座学で和漢薬研究所の様々なお取り組みについてお話をいただきました。恥ずかしながら奈良と薬の歴史が7世紀初めまで遡ることを初めて知りました。推古天皇の薬猟(くすりかり)や江戸時代の配置売薬、奈良出身の薬業創業者がたくさんいることなど興味深いお話でした。また奈良県が「漢方のメッカ推進プロジェクト」を推進していて佐藤薬品工業様も参画されていることを知りました。
その後いよいよ畑へ移動していよいよ収穫体験。最初は生姜、次に紫ウコン、春ウコン、秋ウコン、白ウコンの収穫をしました。生姜やウコンは想像以上に立派な根を張っていて大きなスコップで周りから深く掘り起こさなければ上手く収穫できないほどでした。懐かしい土の香りとともに新鮮で爽やかな生姜やウコンの香りと色が忘れられません。大量の収穫を抱えて帰ることができて大満足でした。
収穫後、漢方や六次化医薬品や健康食品について座学があり知識を深めたのちチームに分かれて収穫した生姜を使ったチャイ作りの実習を経験しました。10種類のスパイスを配合しただけあり深く味わいのある身体に染み入る飲み物でした。
さて単身の私ですが帰宅してからが忙しかったです。翌日から大量の生姜、4種類のウコンを洗浄、乾燥。紫ウコンは薄くスライスしてキハダ蜂蜜漬けにして瓶詰、これは二日酔いに大変効果がありました。春ウコン、秋ウコンはスライスして陰干、細かく砕いてから小袋に詰めて煎じて飲用に。量が多かった白ウコンは二週間ほど陰干し後すりおろして水分を飛ばし冷凍保存。半分は手作りカレーの材料として使いましたが色だけではなく香りも抜群でした。生姜は半分を洗浄後乾かして通常の料理にもちろんカレーにも使用、残りを薄くスライスしてワインビネガーに漬けて自家製の紅生姜にして重宝しています。
今回のイベントに参加できて大変良かったと思います。土づくりから始めてハーブを自分で育ててみたいと強く思うようになりました。ハーブは自然の贈り物、人類がいただいた素晴らしい知恵です。まだまだ勉強することがたくさんある。ハーブの香り、味、触感、効果を知るには生きているハーブに接して観察することが絶対必要だと思います。
このようなイベントを企画いただいた日本メディカルハーブ協会様、佐藤薬品工業様、一緒に参加をした会員の皆様に心から感謝を申し上げます。