Perilla
シソ
- 植物名 シソ
- 学名 Perilla frutescens var. acuta Kudo
- 英名 なし
- 別名 アカジソ
- 科名 シソ科 シソ属
- 近縁の西洋ハーブ なし
- 植物 中国中南部原産で、日本には古代に渡来し、全国各地で栽培されている。草丈約20~40cm、茎は直立し、よく分枝して繁茂する。枝先に総状の花穂を出し、唇型の小さな花を多数つける。花期は7~8月(文献1)
- 使用部位 葉、枝先(文献2)
- 生薬名 ソヨウ(蘇葉)
- 薬味・薬性 辛・温(文献3)
概論
そのさわやかな香りと色で、薬味や梅干の色づけなどで親しまれています。5世紀の薬草書「名医別録」には、「蘇」という名前で記載されていました(文献4)。チリメンジソ(P. f. var. crispa Decne)やアオジソ(P. f. var. acuta Kudo forma viridis Makino)などのいくつかの変種がありますが、薬用として利用されるものは赤紫色をしているシソ(アカジソ)とチリメンジソです (文献2) 。中医学では解表(げひょう:身体の表面から邪気を出す)、理気(りき:身体のエネルギーのめぐりを良くする)などの効果があるとされ、ストレス症状などの漢方薬に配合されています。民間では解毒作用があるとして胃腸症状のあるかぜなどに利用してきました。(文献5)。
近年の研究からは、抗菌、解熱、鎮静作用のあることがわかってきています。また最近では抗ヒスタミン作用が注目され、花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の改善が期待されています。(文献6)さらに種子にはαリノレン酸が多く含まれ、血清脂質の減少、消炎効果なども研究されています。(文献7)
成分(文献2)
- 精油:ペリラアルデヒド(特有香気)、ℓ-リモネン、αおよびβピネン、リナロール、カリオフィレン、αファルネセン
- アントシアニン:シソニン
- フラボノイド:アピゲニン、ルテオリン
- その他:カフェ酸、ロスマリン酸
適用
かぜの初期症状・胃腸症状、アレルギー症状
使用法
かぜに蘇葉1日量6~10に水200mlを加え、半量になるまで煎じつめたものを2~3回に分けて服用する。(文献1)
安全性(文献8、9)
- 通常経口で適切に摂取する場合には安全性が示唆されている。
- 妊娠中および授乳中の安全性については十分な情報がないため、食事以外の接種は避けた方が良い。
- 外用では接触性皮膚炎を起こす可能性がある。
【参考文献】
- 岡田稔監修 『牧野和漢薬図鑑』 北竜社 2002
- 日本公定書協会編 『第15改正日本薬局方解説書』 廣川書店 2006
- 荒木性次 『新古方薬嚢』 方術信和会 1972
- 難波恒雄監修 『和漢薬の事典』 朝倉書店 2002
- 鈴木洋『漢方のくすりの事典』 医歯薬出版 1994
- Shinobu Takagiら Journal of Traditional Medicines 18,239-244;2001
- 鳥居新平 現代医学 41(3),517-518;1994
- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所『「健康食品」の安全性・有効性情報』http://hfnet.nih.go.jp/contents/indiv.html#Jw07
- 独立行政法人 国立健康・栄養研究所監訳『健康食品データベース 』 第一出版