ユーカリを日常に取り入れてみましょう
ユーカリを日常に取り入れてみましょう
ユーカリはフトモモ科ユーカリ属のオーストラリア大陸原産の高木で、近年では木材やパルプ材の原料として植林されるほか、乾燥地帯の緑化樹木としても需要が高まっています。
コアラの餌としても有名なユーカリは、種類が多く亜種や変種を含めると600種類以上あるといわれています。古くはオーストラリアの先住民アボリジニが傷を癒やす用途で使用した歴史があり、18世紀中頃にヨーロッパにシドニーペパーミントとして、日本にも「有加利」の名前で伝わり広く親しまれてきました。
日本においては主に観賞用としてのユーカリやエッセンシャルオイルとしてのユーカリが一般的ですが、ここではハーブティーやハーブクラフト、精油などを使ったユーカリの楽しみ方をご紹介します。
ハーブティーとして
ユーカリは、抗菌・去痰などの作用をもつため冬の諸症状に向いているハーブです。ところがミントティーの刺激をさらに強くしたような風味のユーカリは、シングルハーブとして飲む場合刺激が強いため苦手な方が多いかもしれません。その場合はブレンドティーをお試しください。
Recipe 1
ユーカリのブレンドティー
ティーポットにユーカリとブレンドするハーブ(黒豆やベルベーヌなどのレモン系ハーブがおすすめ)を小さじ1程度ずつを入れて、300mL程度の沸騰したお湯を注ぎ、3分程度抽出してください。ブレンド比率は1:1でお試ししていただき、風味により量を調節してみてください。また、上記とは違うハーブを試して自分にあったブレンドを探してみてもおもしろいかと思います。(ユーカリリーフ。細かくしてユーカリティーに)
ハーブクラフトとして
ユーカリは壁に吊るしておくだけで爽やかな芳香が部屋を満たし抗菌作用により部屋をクリーンにしてくれるため、リースやスワッグ(ドイツ語で壁飾りの意味でウォールディスプレイとしてリースと並んで人気)のベースとしてもおすすめのハーブです。
葉の形が槍のように尖ったものや丸い葉の形、ハートの形をしたものなどさまざまな種類のユーカリがありますので、イメージに合わせてお好みのものを合わせてみてください。そろそろ近づくクリスマスに合わせ、ハーブクラフトを楽しんでみましょう。
Recipe 2
ユーカリのスワッグ
お好きなハーブや花、プリザーブドフラワーなどを合わせて根本の部分を紐や輪ゴムで括ります。壁かけをすることでホコリが気になる場合には、薄い紙などでふんわりとくるむと気になりません。
精油として
市販されているユーカリ精油はいくつか種類があり、ユーカリグロブルス、ユーカリラディアータ、ユーカリシトリオドラなどがあります。
グロブルス種は一般的なユーカリエッセンスですが刺激が強いため、お子さまや肌が弱い方が使う場合には、グロブルス種よりも刺激が優しいラディアータ種がおすすめです。
レモンユーカリの名をもつシトリオドラは、鮮烈なレモンの香りが特徴のユーカリで芳香浴やアロマバス、マッサージなどに使えるほか、虫よけ、虫刺されのケアとして使う楽しさがあります。
ここではユーカリ精油の代表的な使い方の一つとしてユーカリ軟膏をご紹介しています。
Recipe 3
ユーカリ軟膏
ミツロウ5g、植物油(マカデミアナッツオイルなど)25mLを湯煎で合わせたところにユーカリとペパーミント、またはラベンダーの精油を数滴垂らして混ぜ合わせます。この軟膏は緑の薬箱としても重宝します。咳が出た時や喉が痛いときに患部に薄く伸ばしながら塗布してください。同時に虫刺されや擦り傷にも使うことができます。
**
さまざまな使い方が楽しめるユーカリを皆さまの独創的な使い方で楽しんでください。
1.ハーブティーでの注意点
・複数の薬剤と相互作用を起こす可能性があるため処方薬を服用中の方は、医師の相談のもとに摂取してください。飲用において以下の方には禁忌です。
・妊婦や授乳婦/炎症を伴う胆管と消化管および肝疾患患者/長期服用、多量摂取
・原液を皮膚に直接塗布しない/内服しない/パッチテストを行うこと/粘膜部分への使用不可/乳児には使用不可
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第38号:2016年12月