【薬用植物園見学会 in 京都】武田薬品工業 京都薬用植物園の見学会に参加して
2017年10月4日に開催された、武田薬品工業(株)京都薬用植物園の見学会に参加させていただきました。ひとりでの参加で少し不安もありましたが、それ以上にどんなお話を聞けるのかすごく楽しみでした。
研修の初めは園の説明からでした。保有植物数は約2,600種(半数は種子での保存)で、うち約2,000種が薬用植物であり、絶滅危惧種も216種あるとのことでした。85年前は薬のもととなる植物を研究し、安定的に有効成分が取れる品種を開発してきたそうです。しかし時代とともに世界的に薬の作り方が変わり、20年前に今までの薬作りは一度停止し、施設とコレクション・栽培の技術はCSR活動で活用されることになりました。主な活動内容は研修会や絶滅危惧種の保全、ほかの薬用植物の栽培・研究です。そして近隣小学生への年間(5回)を通した自然体験学習や年4回の一般の人向けの見学会もされているとのことでした。それからお話の最後に「植物園での見学は五感で体験してください」と言われました。
その後は4つのグループに分かれて、職員の方に園内を詳しく説明していただきました。見学時間は約2時間でしたが広大な敷地と温室の建替えのため、すべてを見学することはできませんでした。ですが漢方処方園・展示棟・香辛料園・民間薬園・中央標本園の5つのフィールドで、職員の方がピックアップしてくれた植物を主にどんな効能があり、どんな薬に・どんな組み合わせで使われているのか、また毒草についての説明もしていただき、貴重な標本も見て触ることができました。嗅覚や触覚、ときには味覚などの五感で薬用植物や漢方などを体験・体感し、実際に自分で感じることの大切さを再認識しました。
当たり前のことながら一度で学びきることはできず、また四季折々の変化も見学したいという気持ちが強くなり、これからもたくさんの見学会に参加したいと思いました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第42号 2017年12月