昭和薬科大学薬用植物園 (薬用植物園見学会in東京)
2017年10月13日、昭和薬科大学の薬用植物園の見学会に参加しました。応募倍率約3倍とのことです。
前半は高野昭人先生の講義です。昭和薬科大学は、昭和9年に昭和女子薬学専門学校として開設、その後世田谷、そして今の町田へと移転、キャンパスの40%が緑で残されているとのことです。
薬用植物には、1)漢方で用いられるミシマサイコ、トウキ、芍薬など、2)生薬として用いられるセンナ、アカメガシワなど、3)製剤原料として用いられるジギタリスなど、4)民間薬として用いられるゲンノショウコ、ドクダミなど、5)サプリメントとして用いられるエキナセア、セントジョンズワートなどがあり、アマ・アダトダ、アシュワガンダなどはアーユルヴェーダで用いられるそうです。また、葛根、大棗、甘草、桂皮、生姜、麻黄が配合されたものが葛根湯で、かぜの初期だけではなく、肩こり、催乳にもよく、ここから発汗作用のある葛根、麻黄を除いたものが桂枝湯とのことです。
後半は中根孝久先生に植物園を案内していただきました。ドングリの実を踏みながら入り口に到着。紫色の実をつけている三ッ葉アケビからスタート。「マオウが密生、トクサとは違いますよ」とのこと。ステビアの葉の甘さを体験。強壮作用のあるイカリソウを3種見せていただきました。チョウセンアサガオは葉に触ると強い匂いがしました。つぼみをオクラと間違えることがあるそうです。園芸種のエンゼルトランペットもこれと似た成分を含むので危険だとか。ウマノスズクサも毒草で、食べた牛が死に、チョウはこの葉を食べても死なないが、そのチョウを食べた鳥は死ぬそうです。葉には毒があっても根には解毒作用があり、自然の不思議に興味を惹かれます。鈴の形の実が熟し縦に割れていました。甘草は、イソフラボンを含み女性ホルモン様作用があるとのお話です。冷たい雨の中、中根先生は「私こう見えても若いんです」とおっしゃりながら、半袖シャツ姿で楽しくご説明いただきました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第42号 2017年12月