記念インタビューを振り返ってメディカルハーブからさまざまな広がりが
──山本さんはアレルギー疾患をおもちですが、メディカルハーブと出会って、生活にどんな変化がありましたか。
山本(敬称略、以下同):
メディカルハーブを学んでからは、体調の変化に敏感になりました。体調が悪くなると、そのときに適したハーブ選びはもちろんのこと、食事や睡眠といった生活習慣の見直しや早めのセルフケアを心がけるようになりました。
──山本さんはハーバルプラクティショナー資格まで取得されていますが、勉強はいかがでしたか。
山本:
ハーバルセラピストコースでは、ハーブの薬効を通じて体の仕組みを楽しく学ぶことができました。ハーブの効能に興味が尽きないまま、ハーバルプラクティショナーコースに進み、難解な内容に悪戦苦闘しながらも、最後に仕上げた『アレルギー疾患における現代療法と植物療法』と題した卒論では、当事者としてのこれまでの経験から感じていた、“理想とする統合医療社会のあり方”をまとめることができて、本当によかったと思っています。そして、それが今の活動の原点にもなっています。
──資格を活かした活動は、何かやっていらっしゃいますか。
山本:
JAMHA認定校の講師としてハーバルセラピスト講座を担当するほか「いちかわメディカル&ファーム」の代表として、畑コミュニティーの楽しさをお伝えしています。畑でメディカルハーブを栽培し、収穫して活用します。学んだ知識が体験として積み重なり、人に伝えることがアウトプットになり、その結果、メディカルハーブを広げる役割を畑は果たしています。作業ボランティアさんをはじめ、市川市主催のイベントやオリジナルのハーブ講座にご参加くださる多くの方々に喜んでいただいています。
──会報誌も10周年を迎えましたが、感想をお聞かせいただけますか。
山本:
健康の維持増進に関すること、食べ物や生活環境のこと、病院での治療や補完代替医療のこと、そして植物についても研究や調査などによって、情報はどんどん変化しますので、情報収集は常に必要だと感じています。その点、会報誌は貴重な情報源ですので、ありがたく活用させていただいています。また、栽培や活用方法も大変参考にしています。Vol.39で特集されたアーティチョークについて書かれた木村先生にお会いする機会があったので、畑のアーティチョークの生育について尋ねたところ、すぐに解決することができました。一般的な本に書かれているようなことだけでは、なかなかうまくいかないものなのです。会報誌が結んでくれたご縁です。
──最後になりますが、協会の活動についてご要望などはありますか。
山本:
例えば、このように会報誌のテーマに沿った実質的な講習会やセミナーがあったらうれしいですね。また、資格を取られた皆さんのご活躍を知る機会がもっと増えるといいと思います。
──今日は「いちかわメディカル&ファーム」の作業でお忙しい中、ありがとうございました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第41号 2017年9月