【スーパーフード】Maca マカ─インカ帝国時代から食されてきた滋養を高める貴重な食材
マカ(Lepidium meyenii Walp)アブラナ科の多年生草本
マカとは?
約2,600年前から現在の南米ペルーのアンデス高地あたりで栽培されていたというマカは、古くから根部分を食用としてさまざまな調理に使用されてきました。インカ帝国時代には特権階級しか食べられない貴重な食材として広まり、戦士の滋養強壮剤としても重宝されていました。
そもそもマカは、ブロッコリーやキャベツ、カブ、大根などの身近な野菜が多いアブラナ科の植物で、多年草ですが、一年草として気温差が激しい荒涼な土地で栽培されています。厳しい環境下で、土壌の栄養分をグングン吸収して育つことから、ほかの植物よりもグンと栄養価が高く、古来より先住民たちの間では、生殖力や活力を高めるための薬として広く知られていました。当時は超高級食材だったことから、スペインがペルーを戦略する前後は通貨としても使用されていたそうです。
高いアダプトゲン
免疫機能をサポートし、肉体へのストレスを体自らが対処できるようにする働きをアダプトゲン(アダプトジェン:Adaptgen)と呼びます。具体的にアダプトゲンには、抗ストレス効果やコルチゾールの調節、滋養強壮、抗酸化作用などがあり、ホルモンや免疫バランスを保ち、体内のさまざまな機能を正常化する働きが期待できます。
NASA(米国航空宇宙局)が注目?
宇宙飛行士たちの過酷な宇宙空間でのストレスや疲労回復、さらに頭脳を冴え渡らせ、反射神経を正常にサポートしてくれることから、ある宇宙飛行士が、宇宙飛行士にとても良い食べ物としてマカを紹介したことから、“NASAがマカを宇宙食として取り入れた”という大げさなニュースが飛び交い、一時は世界中でマカの効果が話題となりました。
高山病の特効薬
血中の酸素量を増やしてくれることから、空気の薄い高地でのストレスを緩和してくれます。特にペルーでは、マカとコカ茶を一緒に摂取することで、ほとんどの高山病が素早く治るため、酸素の薄い高地で生活する人々にとっては命を司る食べ物のひとつでもあるのです。
高級なマカは、通常はオーガニック(有機)栽培であり、さらに標高3,000~4,000mの高地で栽培されています。これは日本で例えると富士山の頂上あたりかそれ以上の標高ということになります。
アンデスの女神
太陽神を信仰していたインカ帝国の人々は、少しでも神なる太陽に近づこうと高地へ移住してしまったため、今も残るマチュピチュ遺跡のように標高の高い場所へ次々とさまざまな建物が建設されていったそうです。古代にそんな標高の高い場所へ石を運んで建設できたという背景にも、やはりマカの強力なサポートがあったと伝えられています。さらに古代のシャーマンたちは、マカには聖霊が宿るといい、さまざまなマカにまつわる神秘的逸話が数多く残されています。今でもペルーでは別名“アンデスの女神”と呼ばれている所以も、マカには体をサポートする31種の微量ミネラルが含まれ、女性の生理不順改善はもちろん、更年期のホットフラッシュや月経時の感情のムラ、閉経前と更年期全般の症状を緩和させてくれることに関係しているのかもしれません。
現代におけるスーパーフード第一人者のひとりとして著名なディヴィッド・ウォルフは、健康促進効果を期待するならば一日大さじ1~2杯を毎日摂取することを推奨しています。最近では神経伝達物質の機能改善が注目され、記憶力アップやボケ防止としても注目されています。
マカに期待される主な効能
- アンチエイジング
- 免疫力アップ
- 血行&代謝機能の改善
- 疲労回復
- 自律神経の調整
- うつ病改善
- 更年期障害の緩和
- 不妊症の改善
- ホルモンバランスの調整
- 甲状腺疾患の緩和
- 記憶力アップ
Recipe
マカのスムージーボウル
【材料】(1人分)
– 果物(バナナ、りんご、パイナップル、マンゴーなどお好みの果物)200g
– マカ大さじ1~2
– 水1/2カップ
【トッピング】
– カカオニブ小さじ1
– ゴジベリー(クコの実)小さじ1
– お好みのスーパーフード適量
– お好みの果物適量
【作り方】
トッピング以外のすべての材料をブレンダーに入れ、よく混ぜ合わせ、器に注ぎ、お好みのスーパーフードと果物をトッピングする。
簡単な使い方
お茶やコーヒー、スープ、ドレッシング、スムージー、ヨーグルトにプラスしたり、料理やデザートの隠し味として加えます。加熱しても栄養成分があまり変化しないため、幅広い調理法が可能です。海外では市販の手軽なおやつとして人気のエナジーボウルやトレイルバー、ローチョコレートやビーントゥーバーなどのこだわったオーガニックのチョコレートなどにマカがよく使用されています。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第41号 2017年9月