【地区イベント】古代蓮の里・行田蓮見学会
2017年6月30日(金)、第1回関東地区イベント「古代蓮の里・行田蓮見学会~花蓮の生態と形態を知る一日~」が開催されました。
花蓮のベストシーズンは毎年梅雨の季節。
天候が心配されましたが、不安定ながら午前は少雨、午後は曇りの中、無事開催することができました。
東日本最大クラスの蓮池・世界の蓮園見学
オリエンテーションで古代蓮会館の主幹・山子氏による施設の見どころをご説明いただいた後、3つのグループに分かれ、行田観光ボランティア会のガイドさんのご協力による蓮池見学に出発。
みんな同じに見えていたハスも、目の前で観察するとそれぞれに個性があり、色も違い、香りも違います。
写真を撮ったり、人の頭ほどあるハスの花に顔を近づけて中をのぞき込んだりしながら、ガイドさんの丁寧な説明を楽しく聞きました。
蓮池には行田蓮だけでなく、スイレンやオニバス、コウホネなども咲いていて、「ハスとスイレンの違いを比べながら見ることができました。」と大変好評でした。
薬用植物としてのハス・古い文献におけるハス
各地の公園やお寺の境内などでよく見かけるハスは「古事記」など日本の古い文献に登場するだけでなく、漢方の生薬としても使われてきた歴史があります。
そんなハスの部位を細かく分けてお話しし、実際に蓮子(ハスの種子)やハスの乾燥した果托などを触り名称を確認しました。
古い文献としては『神農本草経』『本草綱目』(中国)や、江戸時代の文献である『農業全書』『大和本草』『和漢三才図絵』などにどのように記述されているかを紹介しました。
午後一番のゆるむ時間帯の講演であるにも関わらず、皆さん熱心にメモをとりながら聞いてくださいました。
古代蓮会館展示室見学
古代蓮の里のもうひとつの見どころは、古代蓮会館内の展示室です。
まずはハスの一生を7分間のビデオにまとめた映像資料を見学。
続いて蓮根や種子から葉茎・花茎が出て花が咲く様子を成長の過程ごとに再現した模型の展示へと進みます。
泥の中から花の先まで全体像を表現したジオラマは、ここでしか見学できない貴重な展示物で、透明なアクリル板の床から泥の中の蓮根の様子をのぞき込んで「なるほど」と納得の声が上がっていました。
アジアにおけるハスとその国の「衣」「食」「住」「宗教」のつながりなどのパネル展示もあり、参加者の皆さんはそれぞれ興味のある方面での展示物をゆっくりと見学しておられました。
最後に、平日の開催であるにもかかわらず、JAMHA会員のほか一般のお客様も含め26名様にご参加いただきましたことを心より感謝いたします。
また、開催にご協力いただきました古代蓮会館様ならびに行田観光ボランティア会3名のガイド様に厚く御礼申し上げます。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第41号 2017年9月