【海外ハーブツアー報告】 ハロルド L.ライアン演習林へ-4日目(最終日)
ツアー第4日目は、朝9:00頃ホテルを出発し、ワイキキから5マイル(約8km)ほど離れたマノア溪谷にあるハロルドL.ライアン演習林(Harold L.Lyon Arboretum)に向かいました。
ハワイ大学付属で、熱帯雨林帯に属し、一年中、降雨量の多い所です。着いたときは雨が降っていましたが、見学を始める頃にはすっかり晴れていました。ここまでお天気なのも珍しいそうです。敷地は、193.5エーカー(約78ha)と広く、テーマごとに分けられたエリアがありました。ハワイ民族植物園(Hawaii Ethnobotanical Garden)で解説をしていただきながら主にハワイの伝統植物などを見ることができました。固有種のオヒア・レフアの赤い花やククイ、コア、ノニの花と実、アヴァ、ニウ、ハラ、カロなどを見ることができました。
形態も南国らしい植物がいっぱいでした。例えば、人の背丈ほどのシダ類や支柱根をもつ木など日本では温室以外ではあまり出会うことのない植物を見ることができました。ちょうど、ノニが結実している時期で、一部に花が残っているなどいろいろな姿を見ることができました。演習林を後にし、ランチの会場「the Willows」に向かいました。
ランチの前に、「ハワイの植物と医療」と題して、演習林を案内していただいたさゆり・ロバーツさんによるお話がありました。古代ハワイアンの健康を支えていたのは、「カフナ(KĀHUNA)」と呼ばれる専門家の人たちだそうです。例えば、Kāhuna lomilomiというように後につく単語によって、何の専門職かがわかるそうです。古代ハワイで医療に使われた植物のお話では、ライアン演習林で観察した植物がいくつも紹介されました。オヒア・レフアは、強壮剤や陣痛を和らげる飲み物として、ノニは、皮膚用の塗り薬、糖尿病や高血圧用の飲み薬として、カロは下痢止めとしてなどに使用されていたそうです。みなさん興味深く聞いていらっしゃいました。
ランチは、ビュッフェで、メニューにハワイの伝統料理のポイ、ポケ、ラウラウ、カルアピッグ等々、ローカル料理、デザートもバターもち、ハウピア、パインアプルのソフトなど、ハワイらしい料理を堪能しました。
そして、旅の最後のイベントは、クルーズフェアウエルディナーです。海の上から見る夕日は美しく、ダイアモンドヘッドも見ることができました。食事をしながらのポリネシアンショーは、目の前で繰り広げられ、あまりにも近く写真を撮り損ねてしまいました。
ハワイは植物に興味のある人にも楽しい場所でした。機会がありましたら、またハワイの植物園に行ってみたいです。
今回、コーディネイトしていただいた渡辺理事、現地で案内くださった皆様、ご一緒した皆様、楽しい旅をありがとうございました。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第43号 2018年3月