2019.2.1

2019年1月14日 専門部会セミナーin大阪 『ロコモティブシンドロームの予防について』

ハーバルプラクティショナー

田行 千香

2019年1月14日に専門部会セミナー「ロコモティブシンドロームの予防について」に参加させていただきました。

Program1は薬学博士で芝浦工業大学 教授の越阪部奈緒先生による「ポリフェノールの消化管センシングを介したロコモティブシンドローム予防作用」でした。日本では平均寿命と健康寿命の差が男性2,6年、女性5,4年となり、健康寿命を延ばすことが必要とされています。健康寿命を阻害する3大因子メタボリックシンドローム、認知症、ロコモティブシンドロームにならないために、運動による恒常性の維持が非常に有効であるとのことでした。ホメオスタシスとホメオダイナミクスの違いなど興味深いお話が続きます。ポリフェノールの消化管センシングのお話は、驚きに満ちたものでした。消化管センシングによって、中枢神経の活性化および自律神経の調整が行われ、恒常性の維持・増進や慢性疾患のリスク低下につながっていくというメカニズムは非常に興味深かったです。

Program2は港北治療院院長・居宅介護支援ホリスティックケア港北代表の石橋建三先生による「運動とロコモティブシンドローム」でした。サルコぺニアは30代からはじまっているとのことで、若いうちから運動を続けることが生きる力につながっていく重要性を感じました。デイサービスの歩行訓練では歩けなかったダンスの先生がダンスを踊ってらっしゃった動画はとても感動的でした。講演中に何度おっしゃっていた個人差というお言葉やその人の人生経験を大切にするという石橋先生の治療の素晴らしさを感じました。

Program3は越阪部先生と石橋先生と降矢副理事長の3人による質疑応答とパネルディスカッションでした。ご家族を介護されている方からのご質問やそれに対する先生方の応答も大変興味深く勉強になりました。越阪部先生は女性研究者ならではの苦労話を明るくお話されるので思わず笑ってしまいましたが、ご苦労なさった貴重な研究内容や、石橋先生のご経験からの貴重なお話を聞かせていただける機会に深く感謝いたします。