『薬物誌』第1巻序では先行する薬物学者を二分する。 前半のビテュニアのイオラス、タレントゥムのヘラクレイデスに対しては、テオプラストスのような植物自体に関する記述のないこと、クラテウアスとアンドレアスに関してはその事項に見落としのあることを指摘しているが、概ね肯定的に評価する。 ・・・
ディオスコリデスの『薬物誌』(De Materia Medica)は、ヨーロッパのみでなくアラブ世界においても後々まで大きな影響力を持つよく知られた著作だった。 しかし著者のディオスコリデスはその生卒年すらよくわからない。従来知られていることは、キリキアのアナザルブス(ないしアナ・・・