KEYWORD: 『神農本草経』

2024.02.05
シナモン・ケイヒの産地による成分の違いについて

はじめに  植物は様々な化学成分を創り出しています。私たちは、この植物が作り出す化学成分を生活の中で上手に活用してきました。例えば、私たちが普段使用している医薬品の中には植物成分をそのまま、あるいは少しだけ有機化学的に形(化学構造)を変えたものが多くあります。医薬品以外にも食品添・・・

鈴木龍一郎 城西大学薬学部薬科学科准教授

2023.10.06
生薬ニンジンについて

ウコギ科のPanax属植物は、北半球の冷涼な地域に分布しており(図1)、ロシア沿海州・中国東北地方・朝鮮半島を原産とするPanax ginseng(オタネニンジン)をはじめとして、我が国にも自生するP. japonicus(トチバニンジン)、北米東部原産のP. quinquefo・・・

田中謙/西殿悠人 立命館大学薬学部教授/立命館大学薬学部専門研究員

オタネニンジン(朝鮮人参): アダプトゲンと呼ばれるハーブを学ぶ

「オタネニンジン(朝鮮人参)」Ginseng 【学名】 Panax ginseng C. A. Mey.【科名】 ウコギ科【使用部位】 根【主要成分】 サポニン2~3%(ジンセノシド各種)、精油0.05%(リモネン、テルピネオールなど)、アセチレン化合物(パナキシノールなど)【作・・・

木村正典 博士(農学)

2022.10.02
ケンゴシとトシシ

アサガオのツルの巻いた鉢植えを孫が小学校から持ち帰った。15年前からこの鉢を使って、市販の種を植えて育てている。アサガオが教材として使われている理由は、ツルの巻き方を観察し、自然の複雑さを教えることだったのだろう。現在は人工衛星で旅した種が、遺伝的に変異するこの観察を課題とする学・・・

佐竹元吉 昭和薬科大学 薬用植物園 薬用植物資源研究室 研究員

2022.01.01
ヒオウギと射干(ヤカン)

山地の草原を歩いているとき、黄赤色のすくっと立った花を見かけた。周りが緑色なのでひときわ目立つ。この花がヒオウギであった。秋になると真っ黒な種を付けていた。ヒオウギは根茎が薬用である。 ヒオウギの特徴 ヒオウギは、根茎は短く、匍匐枝は出ない。茎は高さ1〜1.5m、下方葉は左右2列・・・

佐竹元吉 昭和薬科大学 薬用植物園 薬用植物資源研究室 研究員

2021.09.07
ハッカクレン

ハッカクレンはメギ科植物である。メギ科植物は木本性のメギの他に花の形の異なった植物がある。薬用で代表的なものがイカリソウである。ガク片が突起して錨のようになる。山地性のサンカヨウ、トガクシショウマ、ルイヨウボタン、ナンブソウなどがある。寺林 進博士は花の形の変異を研究し、花の維管・・・

佐竹元吉 昭和薬科大学 薬用植物園 薬用植物資源研究室 研究員

2021.04.04
クセキ(狗脊)は二種のシダ

クセキ(狗脊)は、犬の背と書き、『神農本草経』の中品に記されている生薬である。 『本草綱目』を書いた李時珍は「狗脊に二種ある。一種は根が黒色で狗の脊骨のようなもので、一種は黄金色の毛があって狗の形のようなものだ。いずれも薬用になる。その茎は細く、葉は大葉蕨に似ており、貫衆カンジュ・・・

佐竹元吉 昭和薬科大学 薬用植物園 薬用植物資源研究室 研究員

オオバコの植物学と栽培

今回は、オオバコの特徴や栽培方法などを、植物学の視点で解説します。 分類・名称 分類 オオバコ(大葉子、車前草)はオオバコ科(学名:Plantaginaceae、英名:plantain family)オオバコ属(Plantago)の植物で、狭義には Plantago asiati・・・

木村正典 当協会理事

二十四節気七十二候 季節の植物を観察

薬用植物園見学会報告 in 宮城レポート 日程:2018年6月6日 場所:東北医科薬科大学附属薬用植物園 二十四節気七十二候 季節の植物を観察 昨年の秋と同様、東北医科薬科大学附属薬用 植物園で佐々木健郎教授の案内にて見学会が行われました。この日は二十四節気七十二候の芒種螳螂生(・・・

杉本 恵子 シニアハーバルセラピスト