キーワード: 橋爪雅彦

亜熱帯から花便り:島で見られる熱帯果樹

南の島の花便り 今年、八重山地方は空梅雨状態で夏を迎えました。以前は夏の夕方にはスコール(方言でカタブイ)が来て野山を潤わせましたが、ここ15年以上スコールはなくなり夏の水は台風頼みになっています。それでも、亜熱帯気候の島では内地では見られない熱帯果樹が民家の庭先や道路際などに多・・・

2023.10.12
亜熱帯から花便り: ヒスイカズラ(翡翠葛)

南の島の花便り 花の中では珍しいターコイズブルー色のヒスイカズラ(翡翠葛)。この花は沖縄でも近年大変注目され始めており、この項にも何度か顔を出していますが、改めてもう少し深く掘り下げてみましょう。 ヒスイカズラは植物学上の分類ではマメ科(マメ亜科)のヒスイカズラ属で、学名はStr・・・

2023.06.30
南の島の花便り: ハイビスカス

昨年9月に来襲した台風以後、八重山は雨天続きで、1月までの4ヶ月間にまともに青空が見られたのが1週間ほどしかないという、異常気象が続いています。そのかわりに気温は高く植物の花芽分化がバラついて、花期に影響が出ています。 私の整備しているガーデンは、300mほどの山に降った雨が地下・・・

2023.03.17
南の島の植物: 葉の話

今年は数年ぶりに割合強い台風が八重山を直撃しました。台風の被害が少ない年は木々もスクスクと成長し島全体が緑に覆われていますが、その分、耐風性が弱くなっており、今回のように半日近く台風の目に入ると、通過後の返し風で多くの倒木が発生します。通過後、数日経つと潮をかぶった葉は茶色く枯れ・・・

2023.01.05
南の島の植物 今に生きる薬用植物

沖縄のお婆たちは古くから野山の植物を薬用として利用していました。お婆たちに聞くと様々な植物の名が効能と共に浮かび上がってきます。そんな中で現在でも利用されている植物に目を向けてみましょう。 まず、沖縄三大薬草といわれるグアバ・ウコン・クミスクチンからご紹介していきます。 ●グアバ・・・

2022.10.07
石垣島の四季

連載も4年目に入りました。今回は本土では見ることの少ない八重山独特の四季をお届けします。 亜熱帯に入る石垣島は北緯24度20分に位置します。地球儀をぐるっと見回すと近い緯度にはハワイ・メキシコ・マイアミ・エジプト・ドバイ・雲南・台湾などがあります。どの場所も年間を通して花が見られ・・・

2022.07.16
南の島の蔓性植物

今回は本土では見ることの少ない八重山独特の蔓つる性植物をたずねてみましょう。 ●ヒスイカズラ 長さ20m以上にも伸びる蔓性のヒスイカズラ。植物とは思えない翡翠色をした独特の形状の花を一房に150ほど下垂させ、藤棚のように周囲を埋め尽くします。フィリピンのルソン島周辺が原産ですが、・・・

2022.05.15
織物製品に色をそえる植物

八重山の伝統工芸品といえば木綿のミンサー織りや苧麻(カラムシ)を使った八重山上布、イトバショウで織った芭蕉布などがあります。今回はそんな織物製品に色をそえる植物を巡ってみましょう。 南の島の植物 #工芸 竹富町を中心に作られていたミンサー織りは、現在では石垣島でも織られています。・・・

2022.01.01
南の島の植物原色の花々

亜熱帯に咲く花は鮮やかな原色のものが多く、内地とは異なった景観を醸し出します。今回は原色の花々を見て回りましょう。 赤色 沖縄で最もよく見られる赤色の花は「ハイビスカス」です。アカバナーとも呼ばれ年間を通してどこにでも咲いています。挿し木で簡単に増え成長も早いため防風林としても用・・・

2021.09.04
南の島の植物の不思議

今回は内地と異なった島の植物の不思議を紹介します。 ●南下する桜前線? 沖縄の桜の開花は本土とは逆に沖縄本島の北部から始まり、南下します。サクラは夏に花芽を形成し、そのまま休眠状態で年を越します。休眠から覚めるには、低温にさらされる必要があります。その気温がソメイヨシノの場合5℃・・・

2021.06.30