植物たちがつくりだす物質、特に活性酸素の害を消去する抗酸化物質が、私たち人間の健康を守ってくれていることを、この連載で説明してきました。今回は、植物がつくりだす香りのはたらきについて紹介します。
クセキ(狗脊)は、犬の背と書き、『神農本草経』の中品に記されている生薬である。 『本草綱目』を書いた李時珍は「狗脊に二種ある。一種は根が黒色で狗の脊骨のようなもので、一種は黄金色の毛があって狗の形のようなものだ。いずれも薬用になる。その茎は細く、葉は大葉蕨に似ており、貫衆カンジュ・・・
中世の修道院では、Ora et labora(祈り、働く)というベネディクトの戒律にそって自給自足の生活でした。連載第6回で食養生として断食をご紹介しましたが、修道士は毎日食事を摂り、一日1回でも、昼・夕食2回でも体調にあわせ、料理も2品、果実や野菜を1品さらにパンがつくと定めら・・・
八重山諸島は花の島として知られていますが、内地とは異なった昆虫の多い地域としても知られています。特に蝶の仲間は160種以上が確認されており、採集マニアの来島も多く、台風の後などには近くの台湾やフィリピンから風に乗って飛来する蝶などが見受けられ、西表島などでは台風通過後に補虫網を持・・・
前々号では、抗酸化物質の代表であるポリフェノール、前号では、老化を防止し、疲労を回復し、視力を保つことなどに有効に働くことが期待されるカロテノイドを紹介しました。今回は、抗酸化物質である、ビタミンCとビタミンEを取り上げます。 ビタミンC 発見のきっかけは、“壊血病” ビタミンC・・・
ヨーロッパで愛されたスパイスワイン ドイツのクリスマスマーケットの素敵な陶器の飲み物はグリューワインと呼ばれるスパイス(ハーブ)ワインで、シナモン・クローブ・オレンジとレモンの皮などを漬け込んだワインを温めたものです。器を持って行くとそこに入れてくれたり、容器代を返してくれたりす・・・
前回は、抗酸化物質の代表であるポリフェノールが、心臓病と認知症を予防し、また、腸内細菌へ働きかけることで私たちの健康に貢献していることを説明しました。今回は、ポリフェノールと並んで、老化を防止し、疲労を回復し、視力を保つことなどに有効に働くことが期待されるカロテノイドを紹介します・・・
はじめに 1997年、岡山文理大学の古谷力らは、天然抗菌素材の開発研究で、抗菌作用が最も強かったのが、ホソバヤマジソであり活性本体は精油のチモールと報告された。ホソバヤマジソMosla chinensis Maxim. は、日本に分布するシソ科の植物で、環境庁のレッドデータブック・・・
はじめに ダンディライオンはデトックス (解毒作用)が顕著でありかつ繁殖力が強いため、インドのアーユルヴェーダやアラビアのユナニ医学、TCM(中国伝統医学)や北米の先住民医学などに幅広く用いられてきました。わが国にはおよそ40年前に妊婦さんが飲む「ノンカフェインのヘルシーコーヒ・・・
はじめに 聖ヒルデガルトの生きた時代は十字軍の進軍による戦乱と、冷害などによる飢饉。そして病をケアしていたのは修道院医学でした。今でも、修道女のイラストが描かれたメリッサ精や修道院製のカモミールクリームなどをドイツの薬局で購入することができます。修道院に伝わる「癒し手で医師である・・・